【怖い話 実話 洒落にならない怖い話】粗大ゴミというのは意外と使えるものが多い。短編 - 超怖い話 実話

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【怖い話 実話 洒落にならない怖い話】粗大ゴミというのは意外と使えるものが多い。短編

粗大ゴミというのは意外と使えるものが多い。

新しい機種を買ったからと

今まで使ってた物を無作為に捨てる人までいるようで

時に高級品をタダでゲット出来たりもする。

IMG_2087.jpg


ただこんなことは滅多に無い。

ほとんどは壊れてたり傷んでいたりする。

しかしこれらも簡単な修理や加工を施せば、
インテリアになったり
普通に動く家電になったりとリサイクルが可能である。

学生時代はお金の余裕がまったく無かった。

そのためによく粗大ゴミを拾ってきては使っていた。

時々それを友人が買って行ったりするので、
貴重な収入源にもなっている。

そんな生活の為か、
粗大ゴミの日になると
獲物を求めて徘徊するのが日課だった。

その日車で出向いたのは、
高級住宅が立ち並ぶ住宅地。

家賃100万なんてとこもあるらしい。

この地域では前に、
やたら座り心地の良い革張りソファーや、
どでかい可動式の本棚などを拾ったことがあるため、
遊園地に来た子供のような気持ちで
ゴミ捨て場を見てまわった。

期待は裏切られるためにあるらしい。

ゴミ捨て場には使えそうな物が
ほとんど出ていなかった。

そろそろ回収の時間だし、
後一箇所周ったら帰ろう・・・。

そう思い、最寄のゴミ捨て場を目指す。

遠目から見て、
目的のゴミ捨て場には何もなさそうだった。

しかし車を横に着けてみると、
石段の影にビデオデッキがポツンと置かれていた。

外見は新品同様に見える。

ただ奇妙なことに、
投入口がガムテームでぴっちり塞がれていた。

故障品かなぁ?と思ったのだが、
使えそうな物に出会えたことを
神に感謝しつつ手をかける。

ずっしりとした重量感。

異常に重い。

訝しみながらも、車に積み込み家へ帰る。

動作テストをするために、
部屋へビデオデッキを運び込む必要がある。

やたら重いビデオを持って2階の自室を目指す。

ハァフゥハァフゥ言いながらも
どうにか部屋の前まで持ってきた。

途中、同じアパートの違う部屋に居る女性に目撃され、
変な目で見られたのには凹んだ。

確かに粗大ゴミの日の朝に、
粗大ゴミを部屋に運んでいる男がいたら
そんな目で見られても仕方ないかも知れない。

部屋で一休みしながらデッキを眺める。

外見は綺麗で傷も無い。

型は古そうだが、いかにも

「オレ高かったんだぜ」

オーラを発しているように見える。

これで動けば最近一番の掘り出し物だな。

汗も引き、呼吸も落ち着いたところで
動作テストに入る。

とりあえず投入口を塞いでいるテープ剥がすと、
中にビデオが入っていた。

詰まって出ないから塞いだのかと思ったのだが、
電源をつけて取り出しボタンを押すと普通に出てきた。

もう一度投入して取り出しを押す。

やはり出る。

問題は無さそうだ。

次はそのテープを再生してみた。

TVにはどこか見たことがあるような
洋画が映し出され始めた。

何かほかに入っていないかと、
そのまま早送りで最後まで見てみたのだが、
その洋画しか入っていないようだ。

ちなみに録画されていた映画は

「靴を無くした天使」

というタイトルだった。

その後に巻き戻しや録画など各種チェックしてみたが、
まったく問題がなかったので
そのままTVの下の棚に収まった。

家にあったビデオが
かなり旧式で予約も出来なかったので、
予約が出来るビデオは大変ありがたい。

ついでに最近映画をぜんぜん見ていないことを思い出し、
学校の帰りにGEOからビデオを大量に借りてきた。

その日から3日間、
ビデオ鑑賞に励むことになる。

このビデオデッキ。

概ね満足なのだが不安な点がひとつある。

それはキュルキュルと
ビデオが絡まったような音を立てることだ。

ビデオを入れっ放しにしていると、
絡まらないように中でガチャガチャ動作するのものなのだが、
このときもキュルキュルいうのでちと困る。

最初からテープが詰まっていたこともあり、
レンタルビデオが中で絡まったらシャレにならん。

ということで
3日間耐久試合のように見続けていたビデオ鑑賞を
一旦ストップした。

丁度借りてきた映画もあらかた消化していたし、
しばらくは家庭用に録画した物で様子を見ることにするか。

その日の夜はすることもなく、
早めに就寝した。

・・ル ・キ・・ ・・・ギ

何か変な音を聞いた気がして目が覚めた。

全身に汗をかいている。

心臓の鼓動が早い。

喉も渇いているようだ。

なぜか涙も出ていた。

怖い夢を見た後のような、
そんな後味の悪い気分がする。

しかし、とくに夢を見たような気がしない。

何だが良く分からなかったが、
冷蔵庫から冷えたお茶を飲んだら落ち着いたので
また寝ることにした。

次の日、午前は学校で講義を受け、
午後はバイトへ向かう。

バイトが終わり、
帰ってきたのは深夜0時を少しまわったあたりだった。

流石に何もする気が起きないので、
風呂に入ってすぐ床に就いた

「キュ・・ ・キ・ル ・・・ギィ」

目が覚める。

昨日と同じように、体が熱く、気分が悪い。

なんなんだろうか。

なにか病気にでもなっているのかもしれない。

冷蔵庫に向かい、お茶を飲む。

動悸も治まり、
落ち着いたのでまた布団に入って寝ようとした。

「キュル・・・ キュルル・・・」

ビデオデッキからテープが絡まったような音がした。

首を横に向けてビデオデッキを見る。

電源ランプはついていない。

「キュルル・・・ ・・ル・ ギッ」

立ち上がり電気をつけてビデオデッキを見る。

電源はスタンバイ状態。

つまり入っていない。

テープも、絡まると嫌だからから抜いてある。

ということは、
絡まり防止の為に
ガチャガチャ動作することもないはずだった。

そもそも、その場合は
キュルキュル言う前にガチャガチャ音がするはずだ。

「キュルルル・・・ ギィ・・・ ギィィ・・・」

微妙に音も変だ。
やっぱりどっか故障してんのかな?

デッキの前に屈みこみ、
投入口に指をかけて開き中を覗き込む。

良く見えないが、
奥のほうで何か白っぽいものが動いているように見える。

んー・・・?

なんともなしに顔を近づけて見る。

この白っぽいのはなんだろうと思ったら突然

目 が 合 っ た 。

中に人がいた。

性別は分からなかったが、
青白くこけた顔をした奴が
投入口の奥からこっちを見ている。

「キュル キュルル ギュる ぎぃぁぁああ」

そいつが鳴いた。

「う お あ ぁ ぁ ぁ !?」

悲鳴を上げて飛び下がった。

その勢いで壁にぶつかり、
引いてあった布団の上で
中腰の姿勢のまま固まる。

冷や汗が止まらない。

心臓の鼓動も早く、涙が出てきた。

この感覚には覚えがあった。

昨日の夜と同じだ。

いや、それよりずっと前から
幽霊に関わると起こる感覚だった。

動けない。

息が苦しい。

ビデオを見つめていると
閉じた投入口の蓋がカタカタ動いている。

弾かれたように逃げようとしたが、
足に力が入らない。

腰が抜けかけている。

横を振り返ると
投入口から指が生えるように出て来ていた。

無我夢中に這うようにして外に出て、
そのままの格好で逃げ出した。

そのまま近くの友人宅に転がり込み、
事情を説明して泊めて貰った。

半信半疑ながらも、
とりあえず泊めてくれたT氏に
こんなに感謝したことは無い。

普段は話しかけるのも億劫になる嫌な奴なのだ。

その日の朝、
そのデッキを見て見たいというTを連れて自宅に帰る。

ついてきてくれたT氏に再び感謝した。

家は飛び出してきた状態のまま
ドアに鍵もかかっていないし、
電気もつけっぱなしで中を照らしている。

恐る恐る中に入ってみたが、
特に異常もなく何も感じない。

「お前の言っていたデッキってのはこれか?」

T氏がデッキの前に屈みこんでいる。

中を覗き込もうとしているようだ。

やめろって。

本当にやばいんだって。

言い終わる前に開けていた。

「なんもみえないよ。」

Tが指を離してこっちをみた。

「お前普段からおかしなことばっか言ってるけど、
本当に狂ったんじゃねーの?」

まず嫌味を言うのが、Tの悪いくせだ。

何か言い返そうとしたそのとき微かに

「・・ル ・・・キュル」

ビデオデッキから音がした。

Tの顔色が変わる。

なんだかんだいってもやはり怖いのだ。

「悪いんだけど、
捨てるの手伝ってくれないか?
早く捨てたいんだ。」

Tに問いかける。

「・・・分かったよ」

Tは頷いた。

流石にそのまま持ち運ぶのは気持ち悪かったので、
投入口にテープを突っ込み、
ガムテープで投入口を塞ぐようにグルグルと巻いた。

そこで気づく。

ゴミ捨て場にあった当初も、
今と同じ状態だったな。

あぁそうか。

前の持ち主も同じ目にあったんだ・・・。

この日は粗大ゴミを出して良い日ではなかったが、
そんなことは知ったこっちゃない。

家から離れたゴミ捨て場に放置してきた。

帰る途中Tがポツリポツリと言葉を発している

「あのビデオデッキ、異常に重かったな。」

ああ。

「20キロぐらいあったんじゃね?」

そのくらいあったかもしれない。

「TVより重いデッキなんか聞いたことねーよ。」

そうだな。

「しかも運び出すは普通だったのに、
さっき降ろすとき氷みたいに冷たかったよな?」

・・・あぁ。

そうなのだ。

さっきゴミ捨て場について、
降ろそうと手をかけたときに気がついていた。

怖かったので言わなかっただけだ。

外の気温は25度。

運ぶ間に熱くなっても、
冷たくなるなんてことはないはずなのだ。

言えない嫌な気分だった。

答えないで居るとT氏は喋るのをやめた。

無言のままTを家まで送り、
お礼を言って別れる。

夕方、ビデオデッキが気になり
放置してきたゴミ捨て場に行って見た。

そこにはもうデッキはなかった。

回収日ではないし、
そもそも放置してきたものなので
業者が持っていったはずはない。

また誰かが拾って行ったのかもしれない。

そうだとしたらご愁傷様。

何も無いことを祈るしかない。

物には思いが宿るとは良く言ったものだが、
あんなものにも宿るものなのだろうか。

どちらにせよ、
捨ててある物をおいそれと拾うものじゃないようだ。

それ以来、粗大ゴミを拾うことはやめた。


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