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【怖い話 実話 洒落にならない怖い話】これは私が体験した話だ。 長編 - 超怖い話 実話

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【怖い話 実話 洒落にならない怖い話】これは私が体験した話だ。 長編

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これは私が体験した話だ。

私は深夜のコンビニでバイトをしていた。

そこのコンビニはちょっとした坂の上にあるのだが、
当時車の免許を持っていなかった私は
自転車で息を切らせながら通っていた。

その日もバイト先に自転車で向かったのだが、着いてみると
いつものパートナー以外にもう1人別の曜日のバイトがいる。

おかしく思い確認してみると、
私が曜日を間違えていたようだった。

私の出勤日は日曜日であり、
その日は土曜日だったのだが、
その前日の金曜日が祝日で学校が休みだったために
錯覚してしまったのだ。

私は損をした気分になったが
バイトがない以上帰るしかない。

だが、私はそこでふと寄り道をすることを思いついた。

バイト先の近くには
隠れた夜景スポットとして知られる公園があった。

九十九里平野を見下ろすことができ、
元旦には太平洋から昇る初日の出を拝む人たちで賑わう。

普段は素通りしてしまい
立ち寄ることはない。

この機会に一度夜景を拝んでみることにしたのだ。

公園の展望台は車道からは離れた場所にある。

杉林に囲まれた道を抜け、
展望台にたどり着いた。

そこからの眺めはなるほど、
なかなか良いものだった。

都会の夜景のような
燦然ときらめく華やかさはない。

しかし、穏やかな灯りが
眠りにつこうとする街を見守るようにまたたく様は
私の心を落ち着かせた。

しばし夜景に見とれていた私だったが、
ふとおかしな音に気がついた。

それは女の声だった。

普段ならば気づきもしないような小さな声。

しかし無人の夜の公園である。

その声は澄んだ空気を震わせ私の耳まで届いた。

キ…エ……イソン…

最初はほとんど聞き取れなかったが、
次第にはっきりと聞こえてきた。

キリエ……イソン…キリエ、エレイソン………

どうやら聖歌のようだった。

しかしあたりを見渡しても人影は見当たらない。

時間が時間だけに不気味に思い、
立ち去ろうと思ったところでさらに奇妙なことに気づいた。

声が反響して聞こえるのだ。

しかし展望台は開けた場所だ。

音を反響させるようなものなど周りにはない。

そこで私は気づいてしまった。

1人の声が反響しているのではない。

複数の声が歌っているのだ。

しかも数が徐々に増えてきている。

女の声もあれば男の声もあった。

私はそれに気づいた瞬間
言いようのない恐怖を感じ、
自転車に飛び乗った。

必死にペダルをこぎ、
林道を駆ける。

だが声も私を追いかけてくる。

声はさらに数を増し、
最後には大合唱で私の頭に直接入り込むかのように
ガンガン鳴り響いた。

冷や汗をかきながら
どうにか林道を抜け車道に出た。

いつ消えたのかはわからないが、
無我夢中で家までたどり着いたころには
歌声は消えていた。

家に帰り布団に入ってもしばらく眠れずにいたが、
いつの間にか眠っていたらしい。

そして私は夢を見た。

私はどうやらあの展望台にいるようだった。

まだ展望台としての形はなしてはいないが、
眼下に広がる景色からそう判断できた。

私の周りにはたくさんの人がいた。

しかし皆日本人ではなく、白人であった。

男性も女性も、若い者も年老いた者もいた。

しかし、彼らは皆共通して
寂しさと憧れの入り混じったような瞳をしていた。

そして彼らの瞳の先には太平洋が広がっていた。

私がなんとも言えない気持ちで目を覚ますと、
隣室の姉が私に声をかけてきた。

夜中に歌うのは止めて欲しい、と。

私が驚いて聞き返すと、
姉曰わく私は夜中になにやら外国の歌を歌っていたらしい。

それから私の身には
なにも特別なことは起こっていない。

バイト先のコンビニもしばらく続けたがもう辞めてしまったし、
件の公園に立ち寄ることも、もうない。

しかし時々思い出す。

彼らのあの瞳を。

どこか寂しげなあの歌声を。

彼らがどのような人たちで、
なぜ私の夢に現れたかを知る由はない。

彼らは遠く広がる海の先に、
帰り得ぬ故郷を夢見たのだろうか。

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