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【超怖い話 実話 洒落にならない怖い話】ライトで部屋をぐるりと照らすと、 長編 - 超怖い話 実話

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【超怖い話 実話 洒落にならない怖い話】ライトで部屋をぐるりと照らすと、 長編

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中学高校と、
実につまらない学校生活を送ってきた。

大学に入ったら、
その6年間を取り戻す勢いで遊びに遊んだ。

コレはそのときに体験した唯一怖かった話。

まぁ、要するに今頃の時期、
夏期休暇中に「肝試し」をしたんだ。

大学は広島にあるんだが、
サークルの仲間と山口県にある廃屋
(「7つの家」と呼ばれる場所とは違う場所)に行こうって流れで。

なんでも友人Aがゼミの教授の手伝いで山口に行った時、
偶然その廃屋を見つけたらしい。

離れた所から見ただけで中には入ってないそうだが、
Aが雰囲気タップリに語る廃屋の様子は、
なかなか不気味で怖そうだ。

で、車で出発する事に。

運転は俺で、ナビゲートはA。

BとCは後部座席でゲーム談義。

Aの記憶を頼りに道を走り、
途中で迷ったりパトカーに止められて職質されたりしながらも、
なんとか「H市S見」に到着できた。

到着したのは夜の1時ぐらい。

その廃屋は無人駅がある場所から、
さらに海側へ言った場所にあった。

寂れた漁港を見渡せる、
少し小高い場所らしいのだが、
外灯がないので何も見えない。

その代わり潮のきつい臭いが気持ち悪かった。

ライトで照らすと、
なるほど確かに不気味で怖そうな廃屋だった。

木造らしく、2階はない。

ただ和風造りの建物ではなく、
個人的な印象はアトリエみたいだった。

白く塗られていた壁は、
潮風や雨風等ですっかり汚れ、
朽ちた状態と相まって
「オバケ屋敷」みたいだった。

ただ、水洗式ではなかったのか、
トイレがあるであろう場所から見える
浄化槽の煙突みたいなのが雰囲気を壊してて、
そこだけが笑えた。

廃屋の周囲にある草は刈られており、
いくつかにまとめられていた。

おそらく近所の人が、
ついでに作業したのだろう。

それが逆に「野ざらしの家」と
「管理された庭」の対比ができていて、
アンバランスさがモヤモヤした物を感じさせる。

Aに促がされ、
各人のライトで周囲を照らしつつ、
廃屋の中へ。

玄関のドアは壊れて倒れていた。

それを踏み越えてはいると、
すぐにリビングらしき部屋が現れる。
家具やテレビはそのままだった。
(もちろんボロボロで使えそうになかったが)

フローリングの床は所々に穴が開いていて、
足元と周囲を交互に確認しながら進まなくてはならなかった。

そんなに風は強くないのに、
家がギシギシときしむい音がする。

リビングの側には浴室があった。

ここが一番損傷が激しかった様に思う。

タイルはボロボロで、浴槽はなかった。

ぽっかり開いた穴から何かが出てきそうで、
なかなか怖かった。

リビングに戻り、奥へと進む。

床を踏む音に家全体がきしむ音が重なって、
不気味に響く。

その音にビビったBは

「もう帰ろう」

と言いだした。

CとAが

「だらしねぇ」

と笑ったが、
実は俺も帰りたかった。

なんというか、
当初の勢いというか熱というか、
もう冷めていたのだ。

この家の住人が普段使っていたらしき部屋に出た。

ベッドやタンスから察するに、
女性の部屋らしい。

Cがタンスを漁ると、
驚いた事に服や下着はそのままだった。

もちろん、カビが生えたり黄色くなったりして
興奮できるような状態ではなかったが、
Cは黒いショーツを広げて「うひょー」とか言っていた。

馬鹿だオマエ、
と俺とAが苦笑する。

ライトで部屋をぐるりと照らすと、
洗濯物が部屋干しされていた。

茶色いワンピースがライトに浮かび上がって、
思わす「うおおッ」と声を上げてしまう。

その声で他の3人も洗濯物に気がつく。

一瞬、誰か廃屋に住んでいるのかとも思った。

しかしそのワンピースや
他の洗濯物(下着やシャツやズボン)の状態から、
もう何年も干されたままの状態であることが分かった。

たぶん、廃屋になった時期から干されているのだろう。

「なぁ。普通、洗濯物干したまま廃屋にならねぇよな?」

聞かなくても分かっている事を、
わざわざBが口に出す。

「夜逃げだろ」

とAは答えたが、
心の中で「違う」と確信を持って否定してたのを、
今でもよく憶えている。

ギィギィと、
沈黙する俺達の代わりに家がきしんでいた。

妙な雰囲気になって
「帰ろうか」って流れになった、その時。

今まできしんでいた家の音が
「ギイイッ!」と大きくなった。

もちろん強い風なんて吹いていない。

なのに家が揺れだした。

ギシギシと音を立て、
目に見えて揺れている。

天井から木片や埃が大量に落ちてきた。

このままだと崩れる!

驚いた俺達は悲鳴をあげながら
玄関へと走り出した。

廊下の穴に足を突っ込んで俺やCがコケる。

AやBが手を引っ張って助けてもらい、
再び走り出す。

もうその頃には天井が崩れ落ちたりして、
家が潰れる寸前だった。

なんとか家の外へ飛び出す事ができた。

ライトで照らされた家は、
まだグラグラギイギイ揺れおり、
少しずつ壊れていく。

その音に波の音も混ざり、
異様な世界が目の前にあった。

やはり強い風は吹いていない。

地震も起きていない。

すると、Aが「おい!」と叫んだ。

その声に俺達は反応し、息を飲む。

Aがライトで照らしている先に人がいた。

女だった。

高校生ぐらいだろうか。

白いキャミソールのような服で髪は長かった。

その女が家を揺らしていたのだ。

じっと、俺達の方を見ながら。

最初は地元の高校生が、
肝試しに来たヨソ者をからかっているのかと思った。

でも違うんだ。

周囲をライトで照らしても、
ソイツ以外誰もいないんだよ。

そいつ1人が朽ちた家を揺らして壊しているんだ。

無表情で、こっちを見続けながら黙々と。

やがてバキバキと屋根が完全に崩れ落ちた。

想像以上に凄い音だった。

で、女が廃屋の壁から手を離し、
体をこっちへ向けた。

顔はこっち向けたまま動かさず、
体だけ「ぐりっ」と動いたんだ。

俺らはそろって悲鳴をあげて、
車を停めた場所まで駆け出した。

遠くでいくつか明かりが灯る。

音に気付いた地元の人が
何事かと家の灯をつけたらしかった。

俺らは車を素通りして、
ひたすらその明かりへ向かって走って行った。

丁度ライトを持って見に来た住民に出会い、
助けを求めた。

俺は後ろを振り返ったが、
女は付いてきてはいなかった。

俺達は、助けを求めた人の家に泊めてもらい、
今朝方になってやって来た警察官に事情を説明させられた。

「幽霊を見た」

「幽霊が家を壊した」

と説明しても、
当然ながら信じてもらえす、
こっぴどく怒られた。

器物損壊の罪で警察署に連れて行かれそうになったが、
近所の人が

「私らも廃屋の周りに柵を作ってなかったのが原因だし」

となぜか陳情を訴えてくれて、
厳重注意(住所と氏名は控えられたが)されただけで済んだ。

その代わり、
朝から壊れた廃屋の片付けを手伝わされたのだが。

崩れた屋根に潰されて、
タンスやテレビも壊れていた。

部屋の一角と、
壁だけがかろうじて残ってる状態だ。

残骸を片付けながら、
一緒に作業してる人に
「あの女は誰なのか」と尋ねてみた。

しかし

「そんな若い女の子は、この町にはいない」

「もうここには来ないほうがいい」

「弁償とかはいいから」

と言われるばかりだった。

この家で何があったのかとか、
聞ける雰囲気じゃなかった。

家から逃げる途中に落としたライトも見つかったが、
壊れていた。

ライト部分が割れている他は破損していなかったが、
中の電池が潰れて液が漏れていた。

なんとなく、俺たちは
町の人の言う事を聞いた方がいいと思った。

で、憔悴しきった状態で広島に戻ってきたんだ。

帰り道は始終無言。

運転してる俺以外が、
走行中に振り返って何度も後ろを確認していた。

気持ちは分かる。

俺もバックミラーで何度も後ろを確認していたから。

で、今に至る。

俺を含めて4人は元気でやっている。

あれから、あの女が見えたとかいうことはない
(少なくとも俺は)。

たぶんまだ廃屋跡は残ってるはずだ。

でも、近づかない方がいいと思う。

日本海側を通る時は気をつけてくれ。

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