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【超怖い話 実話 本当にあった怖い話】どうやら途中で 長編 - 超怖い話 実話

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【超怖い話 実話 本当にあった怖い話】どうやら途中で 長編

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俺はオフロードバイクで
ソロツーリングするのが趣味だ。

連休には良く一人で遠出する。

お盆休みに九州の南端目指して
三泊四日の予定でツーリングに出発した。

もちろん、
高速道路をひたすら走って
目的地に着いても面白くない。

途中に絶景ポイントや
美味しそうな林道を絡めつつ走るのだ。

一日目は主に高速を走る。

エンジン快調。

時速100キロ越えると
以前のクラッシュの影響か
若干前輪がブレるがまあ大丈夫。

福岡の友人宅に泊まる。

二日目、主に下を走る。

途中温泉に入ったりしつつ
マイペース走行だ。

阿蘇で写真も沢山撮った。

だが…少し寄り道し過ぎたらしい。

目的地にはまだだいぶあるが
夕方になってしまった。

現在地熊本と宮崎のちょうど真ん中辺り。

予定では鹿児島に入ってるはずだった。

高速使うか…?

しかしこの先に某スーパー林道がある。

俺が楽しみにしていたステージだ。

別に宿を予約している訳でもないから
急ぐ必要もない。

迷わず林道へ向かった。

峠のワインディングは景色も素晴らしく
満足いくものだった。

やはり非日常を味わうには旅が一番…
などと思いながら
峠を下り切った所で一服。

川が涼しげに道の向こうを流れている。

と、
その川に小さな橋が架かっている。

先には小ぢんまりとした神社。

そして神社の脇に向かいの山へと続く砂利道…

まだ日はある。

オフ乗りには美味しいフラットなダート林道だ、
入らない手はない。

民家もないし
他のライダーとも全く出会わない。

少々ぶん回しても迷惑にはならないだろう。

俺はゴーグルを下げ
2ストサウンド全開で走り出した。

先の読み易いコーナーを足を出して
カウンター当てながら曲がる。

楽しい。

万一転倒してもガードレールはないが
アウト側の木々がその役目を果たすだろう。

だが夢中で走っていたら
いつの間にかオーバーペースになっていたようだ。

高速コーナーでリアをスライドさせ過ぎ
マシンが真横を向く。

本能的にバンクを戻し立て直そうとするも
スピードが乗り過ぎていた。

次の瞬間ブロックタイヤが路面を噛み込む!

しまったと思う前に
マシンは強制的に引き起こされ
俺は空中に放り出された。

頭の上を飛び越え
逆さまに地面に叩き付けられる愛車が見えた……

……やっちまった。

幸い路面に沿って投げ出されたお陰で
木や岩に突っ込む事はなかった。

しかしさすがにあちこち痛む。

ゆっくり起き上がる。

骨に異常はないみたいだ。

ふらつきながら
先の方に転がっているバイクに近付く。

ウィンカーやミラーは脱落し、
メーター周りは粉々だ。

それでも一応キックでエンジンを掛けようと試みたが、
予想通り無反応。

Fフォークも捻れて
タイヤを挟み込んでいる。

辺りは既にかなり暗くなって来ていた。

携帯はもちろん圏外。

「仕方ない歩いて下るか…」

バイクを邪魔にならない場所に引きずり込み、
ジャケットを曲がったハンドルに引っ掛けリュックを背負う。

絶望的な気分で
懐中電灯の明かりを頼りに歩き始めた。

もう3時間歩き続けている。

おかしい…。

もうあの神社のある場所に出ても良いはずだ。

右手に夜空、
左手に山の斜面を見続けて歩いているのだから
間違いないはずだが…。

もしかして気付かないうちに脇道に入ったか?

地図を広げてみたが
もはや何の役にも立ちそうになかった。

暗い。

雲が出ているのか月の明かりすらない。

そして町の明かりも。

懐中電灯がなかったら
谷底へ転落してもおかしくない。

少し休もうと思い
腰を下ろしタバコに火をつけた。

近くで川の流れる音が聞こえるが
入口にあった神社は見えない。

やはり間違ったルートを下った様だ。

しかしどのみち今夜は野宿だ。

もう歩きたくない。

あとは明るくなってから考えよう。

万一クルマやバイクが通っても
轢かれる心配のない場所を探して野宿しよう。

そう考え再び歩き出した。

しばらくすると急に道が開け、
今まで見た事のない風景に出くわした。

そこにいきなり村が現れたのだ。

もちろん明かりの点いた家は全くない。

廃村だ。

どうやら途中で
枝別れしたこの廃村へと続く道を歩いて来たらしい。

辺りを照らしてみると
木造の半壊した建物ばかりだ。

赤錆びた給水塔らしきものも見える。

かなり昔に放棄された村らしい。

不気味ではあったが面白くもあり
少し見て周った。

かなり小さな村のようで(村と言うか集落の一部?)
狭い範囲に5~6戸程の小さい民家が斜面に並んでいる。

その殆どがツタに覆われ
壁の一部が崩れ去り
部屋の中が見えるような状態だった。

玄関に施錠はされているが
意味はなさそうだ。

集落の中央には石段が通っていた。

井戸が何箇所かあり、
蓋が閉じられている。

記念に数枚写真を撮った。

そして比較的まともな一軒の玄関にもたれ
顔にタオルを巻き、
虫よけスプレーをかけ寝る事にした。

地面に直に寝転ぶのを考えたら
それでもかなり有り難く思える。

もうクタクタだ。

すぐに睡魔が襲って来た。


……………?

何か気配を感じて目が覚めた。

俺が今居る玄関の中からの気配。

いや、気配ではなく音がするのだ。

「ミシッ…………ミシッ………」

ゆっくり何かが中を歩く音…。

最初はただの家鳴りかと考えたが
ゆっくりとしたリズムを刻み
床を踏む音が微かに聞こえて来る。

玄関の上半分は
スリガラスで中の様子は見えなかった。

「まさか人が居るのか…?」

この廃墟に人が住むとは考えられなかったが、
確かめようと思い
寄り掛かったまま玄関に耳を当てた。

「ミシッ………ミシッ……」

間違いない。

この家の中を歩き回ってる者がいる。

いつの間にか月が顔を出し
不気味に廃墟群を浮かび上がらせていた。

急に自分の置かれている状況が
ひどく恐ろしいものに感じられた。

当然だ、
こんな時間にこんな山奥の廃墟に
人など居るはずがないからだ。

心拍数が跳ね上がるのが分かる。

得体の知れない何かがすぐそばに居る恐怖。

「ゴトッ」

今度は少し離れたところから音がした。

目をやるが何も見えない。

緊張感からか身動き一つ取る事が出来ない。

額から汗が流れる。

…初めて金縛りを経験した。

目だけを動かし周りを見渡す。

すると俺の今居る場所の正面、
少し低い場所にある家の窓を月明かりに浮かんだ黒い影が
スッと横切るのが見えた。

また少し間を置いて横切る。

影が往復しているように見えた。

歩き回っているのか?

俺の背後の家からも
相変わらず音が聞こえている…。

もはや俺の中の恐怖心は耐え難いものになっていたが、
なにしろ身体が石の様に固まって動けない。

それに少しでも動いて
この廃墟の中に棲む何かに存在を悟られれば
大変な事になる気がする。

目を動かし様子を伺う。

暗さに目が慣れたのか
先程物音がした方を再び見ると、
井戸が見えた。

蓋が地面に落ちている。

そしてついに俺は見た…

井戸の中から目だけを出して
こちらを見ている女の顔を!

ああ…前の家の窓にも
白い顔が張り付きこちらを見ている。

そしていつの間にか足音は止み、
俺の背後のスリガラスにも顔が張り付いて
目玉をこちらへ向けている…

「うわぁっ!!」

思わず声が出た。

その瞬間体が動くようになった。

メットをひっ掴み全力で来た道を駆け戻る。

懐中電灯を使う事も忘れ
月の光を頼りに森を走った。

とにかくあの村から遠ざかりたかった。

脇腹が痛くなるまで走り、
あとは歩き続け
朝になるのを待った。

とても立ち止まる気にはなれなかったからだ。

東の空が明るくなるのと
町に辿り着くのとほぼ同時だった。

その日の始発高速バスに乗り帰ることにした。

バイクは地元の業者に引き上げてもらい廃車。

体もあちこち打撲だらけで
まさに呪われたツーリングとなってしまった。

この出来事を思い出すと
本当に幽霊の類いは存在するような気がする。

余りにリアルな体験だった。

あと、この廃墟を撮影した写真に
幽霊らしきものは写っていなかった。

しかし確認してみて
成る程これは怪奇現象も起きると思った。

当時気が付かなかったが、
廃墟の後ろの一段高くなった場所に
苔むした墓石が何柱かフラッシュに浮かび上がっていたのだ。

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