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困ったな~ - 超怖い話 実話

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困ったな~

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ホームヘルパーってあるでしょ?

年寄りの家に行って、ご飯作ったり、掃除したり、
オムツ交換したりする仕事。

好きな時間に働けるって聞いて、
資格持ってると心強いし、
結婚退職して暇持て余して、
資格取りに行って、少し働いてみようて思って。

初めは同行って言って、
先輩ヘルパーに仕事教えてもらうんだけど、
次からは一人で行かなきゃいけない。

一人立ちして3件目のお宅は、
広いけど古い家に一人で住んでるおばあちゃんの家。

掃除してご飯作って帰るって仕事だったけど、
古いだけにここで一人で掃除するの怖…って思ってた。

同行したときも先輩ヘルパーに、

「ここ、気持ち悪いでしょ…陰気臭いし」

って言われたし。

でも、おばあちゃんの居室と寝室は
インチキフローリング敷き直して床暖だったし、
トイレも数年前に改装したとかで
生活空間部分は明るかったから、まぁいいかって。

掃除も、おばあちゃんの生活空間部分だけって話だったし。

それで、初めてその家に一人で訪問したんだけど、
いくらチャイム鳴らしても出てこないのよ。

あれ?って思って、
その家の玄関の戸、引き戸っていうの?
横にガラガラ開けるタイプの。

ためしにちょっと横に引いてみたら、
鍵はかかってなかったの。

「こんにちわ~」

って呼びかけても返事がない。

ただ、水が流れる音がする。

トイレ?台所?と耳を済ませると、
どうやら蛇口からただ水が出てるだけみたい。

台所で何かしてる音はしないし、
水を止め忘れたのかな?…と。

もう一度、大きな声で、

「すいませ~~~ん」

って声かけたけど、返事なし。

どうしようって思った。

鍵は開いてるけど、誰も出てこないし、
テレビの音はしないけど、水は出てるみたいだし。

私はヘルパーだし、
入っていいってことになってる人間だけど、
今日は初めて一人で来たわけだし。

前回同行のときは
おばあちゃんが居間から返事してくれて、
お出迎えなくても先輩ヘルパーと上がったお宅だったんだけど、
なんて言うか…出迎えのない他人の家に、
許可なく無断で入るのってすごい躊躇したのよ。

よっぽど会社に電話しようと思ったけど、
鍵は開いてるし。

意を決して、

「上がりますね、お邪魔します」

って入った。

真っ直ぐ居間に向かったけど、
おばあちゃんはいない。

どうしようって立ちすくんだ。

近所に回覧板でも置きに行ったのかもしれない。

主のいない家を勝手に歩き回るのも気が引けたけど、
台所の水を出しっぱなしにしておくのも何だし、止めた。

困ったな~と思った。

このまま居間で、
おばあちゃん戻ってくるの待つのもな~って。

やけに長い数分、
その場所でキョロキョロと立ちすくんでいたけど、
おばあちゃんがいないのはわかったし、水も止めたし、
なら車の中でおばあちゃんが帰ってくるの待つかなって。

戻ろうと回れ右したとき、
居間の向こう側からガタッって
物を置くような音が聞こえたの。

居間の向こうは寝室。

もしかしたら、
具合が悪くてベッドで寝てるのかな?って。

それで、寝室を覗いたの。

だけど、誰もいない。

寝室はそこで終わりじゃなくて、
居間から一番近い部屋を寝室にしただけで、
押入れ以外にも襖があって、
襖の向こうは和室になってて、
物置部屋と化してる。

襖はきちんと閉まってたけど、
念のために開けて見てみた。

もちろん一声かけたよ。

「○○さん、ヘルパーです、開けますよ~」

って。

返事はなかったけど、開けたんだ。

やっぱり誰もいるはずない。

急に気味が悪くなって、
一刻も早く家から出たくなった。

私が家捜ししたみたく思われるのも嫌だったから、
それでも襖はしっかり閉めた。

玄関に行くまでの間に、トイレがある。

トイレの戸もしっかり閉まってたし、
覗かなくても人はいないって思ったし。

私がここを覗いたのは、
おばあちゃんの安否確認目的ですよ~って、
心の中で盛んに説明した。

寝室を出て、居間を出て…
シ~ンとしてる家のどこかから、
またガタッて音がしたの。

どこから?って見回しても、
どこから音がしたのかわかんない。

もう、心の中では

「勘弁してよ」

って悲鳴状態。

でも、もしかしたら、
家の中のどこかにおばあちゃんいるかもしれない。

その家1階と2階あわせて、
8部屋あるような結構な広さだったの。

なんだか、勝手に上がったのを、
この家のご先祖に怪しまれてるような気持ちになって、

「○○さん?へルパーです、いらっしゃるんですか?」

って声をかけて、様子を伺った。

相変らず返事なし。

そのときになって、
玄関に靴なりつっかけなりあったかなって気がついた。

自分の靴しかなかったような気がして、
玄関まで小走り。

自分の靴しかなかったのを見て
急に物凄い怖くなって、
一刻も早く自分の車に戻ろうって。

靴を履くアクション起こした、
正にそのときだったよ。

「ウ~~~~~~~~~」

って女の人のうめき声とも
含み笑いともつかない声が聞こえてきて。

そして、2階から、
今度はガタンッ!って結構な音が聞こえてきたの。

ピタッと固まって、
もしかしたらおばあちゃんが2階で何かやってて、
急変が起きたんじゃないか?と。

相変らず怖かったけど、
そんな正義感って言うか、
責任感って言うか。

ヘルパーとして入ってたから、
職業意識があったんだと思うんだ。

絶対に人だって、
生きてるおばあちゃんに
何かあったんだってくらいのリアルさだったし。

「○○さん!」

って、2階に駆け上がったんだ。

だけど、拍子抜けした。

シ~ンとしてる。

拍子抜けしたと同時に、びびった。

だけど、部屋の中で何かあったかもしれないじゃん。

声かけてみたんだ。

「○○さん、いるの?」

って。

何にも返ってこないの。

声も、音も。

2階は4部屋あって、
廊下の両サイドに2部屋ずつ。

廊下の突き当たりに
本棚とかカラーボックスが置けるくらいのスペースがあって。

イスやら色々置いてあった。

それらの、物の隙間に、
女の子が身を隠してるように見えたのね。

驚いたのと、逃げるのと、
一番階段側の部屋のドアに、
紺のトレーナーとジーパン履いてる女の人が立ってたのは
同時だったように記憶してる。

私とその女の人はかなり近接してたはずなんだけど、
不思議と記憶では
5、6歩離れてるように感じられるんだよね。

もう、超ダッシュ。

一目散に階段駆け下りて、
駆け下りてる最中、
そっと肩に手を置かれたような気もしたけど、
わき目も振らず。
靴を履いて、戸を引き開けて…
何も見ないようにしてるつもりだったけど、
戸を閉めるときに、
チラッと見てしまったんだよね。

玄関の上がり口に、
女の人が、猫が伸びをしてるような姿勢でいるのを。

不思議と、
2階で見たときは顔がのっぺらぼうっていうか、
顔だけぼかしがはいってるようにしか思い出せないのに、
玄関の上がり口では、黒髪に肩までくらいの長さで、
ムースか何かで結構かっちりウェーブがかってて…
顔の形や表情まではっきり思い出せる。

その日はそのまま

「もう仕事できない!」

って言い張って、
別のヘルパーが時間をずらして訪問したらしい。

私はそのままその会社を辞め、
二度とホームヘルパーをやる気はない。

制服とかあったから、
クリーニング出して会社に戻しに行った。

同行した先輩ヘルパーさんがいて、
気まずかったけど、挨拶した。

そのときに聞いた話。

あの家では何人か怖い思いをしてて、
おばあちゃんはいい人なんだけど、
いけるヘルパーが限られてしまう家らしいです。

詳しい事情は知らないけど、
仏壇には若い女の人と小学生くらいの女の子の遺影が
飾ってあるらしいです。

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