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冬休みが終わった。 - 超怖い話 実話

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冬休みが終わった。

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神戸市北区。

1993年くらいの話。

帰宅は真冬は結構雪が積もって、
坂道だらけだから
すごい時はソリ遊びができるくらい積もる。

当時小5の俺らは5人で
住宅地の坂道をプラスチックのソリで滑っては上りして遊んでいた。

その目の前の家で、雪の中、
引っ越してきて荷物の積み下ろし?をしてる家族がいた。

隣のおばさんが手伝いに出てきたりしてて、
お父さんが

「4人家族ですがよろしくお願いします」

と挨拶している。

俺らと同い年くらいの男の子がこっちを見ていて、
お母さんが

「遊びたいの?混ぜてって言ってみれば?」

と男の子の背中を押す。

俺らも

「おう!こいや!仲間なろうぜ!」

と、新入りの登場にはしゃいで、
男の子も嬉しそうに仲間に加わった。

ソリは二人で乗って遊ぶんだが、
友人Tとその子が一緒に乗り込み、
坂を滑り始めた。

住宅地に住んでる人は分かるかと思うけど、
住宅地の家の脇には結構大きい排水溝がある。

学校帰りにそこにスッポリ入って歩いて遊ぶくらい大きい溝だ。

雪がそこに積もると、
落とし穴の様になって危ないんだが、
当然地元の子供はそれが分かってるから
溝に近づくとソリから飛び降りるわけだ。

その時、出来事は起きた。

坂の上からTと新入りの滑りに声援を送っていた俺たち。

そのとき、Tがパッ!と飛び降りた。

溝だ。

しかし男の子は気がつかない。

俺らが何か言うまもなく、
男の子を乗せたソリは大きな排水溝の中に、
雪を貫く「ソソンッ」という音を残してスッポリ消えてしまった。

そこが普通の溝なら怪我をして終わりだが、
俺らが慌てたのは、そこは通称「地獄ゾーン」。

交差点に向かう排水溝の合流地点で、
大きな排水トンネルの中へと合流するポイントなのだ。

「うわーー!!!!地獄落ちた!!!うわーー!!!」

俺たちは叫ぶ。

Tはワッと泣き出して、

「俺わるないで!!いっとくけど俺わるないで!!!」

と繰り返し泣き叫ぶ。

駆けつけると、
スッポリとした漫画みたいな穴を残して、
男の子を乗せたソリは姿を消していた。

サーという、
排水トンネルの中から聞こえる川音のような音だけが
静かに聞こえた。

俺らは一瞬躊躇したものの、
走って坂を上り、
引越し作業中の男の子の家に飛んで言った。

「すいません!!男の子が落ちました!」

俺らは半泣きで両親に伝える。

二人は意味が分からず

「ん?ソリから?」

と顔を見合わせる。

「こっちです!
俺ら・・・責任ないんですよ!!」

とメソメソ泣きながら、
二人を連れ出す。

溝と交差点、地獄穴。

二人の顔色がサッと変わり、

「ええっ、ここに落ち・・・ええっ・・・・!」

とお父さんは呻き、
お母さんは

「うそっ、うそでしょ、ええっ、○○くん!?○○!?」

と暗い穴に呼びかける。

俺らは立ち尽くし、Tは泣き続ける。

もう一回だけつづく

その日、冬休みが終わった。

翌日の全校集会。

校長台に女の子が立つ。

あの男の子の姉だ。

「○○県から来た○○です、
よろしくお願いします」

男の子の紹介はなかった。

その後ずっと男の子の紹介も、
事件の説明、顛末も、何もなかった。

何もかも雪の中にスッポリ消えたかのように、
何もなかった。

家族は三人でそこに住み続けている。

Tを含む俺たち5人はそれから何年も

「あいつどうなったん??」

と顔を合わせるたびに話すが、
誰も男の子の安否を知らない。

俺がこの話に最近、
何か胸を引かれるのが
あの男の子の姉が俺の同級生と結婚したからだ。

5人の中の一人からの又聞きだが、
姉に弟の事を聞いたところ、
弟などはいないという。

先日実家に帰ったおり、
その家の庭に男の子の母親を見かけたが、
見た目が一切若いままな気がした事、庭から座敷に上がり、
ススッと滑るように奥へ消えたのが不気味だった。

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