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【超怖い話 実話 恐怖体験談】 作り話 長編 - 超怖い話 実話

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【超怖い話 実話 恐怖体験談】 作り話 長編

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私が大学で体験したことを語ろうと思う。

こんなことをするのは初めてなので、
長くて読みにくいだろうし、
作り話と思われるかもしれない。

私自身も何処までが現実でどこまでが幻覚なのか、
私にももう分からないから。

春先の事だった。

私は社交性に乏しかったから、
周りとはあまり関わらない生活を送っていた。

だがその年は、
随分多くの噂話を聞いたように思う。

ただ私自身は当時そういったものに全く興味が無く、
人喰い峠やら幽霊電車やら山の祟り神やらを聞いても、
どうとも思わなかった。

反応したのは、
斜め前の席に座っていたVだった。

「へえ、さっきの詳しく聞かせてよ。」

Vはいつもへらへらしていて、
男女問わず誰とでも話す。皆からは疎まれがちだが、
口を聞いてもらえないほどではない。

噂をしていた女子学生達は
少々嫌な顔をしながら話していた
「赤いコートの女を襲う黒服」の事を話していた。

「夜中に、赤いコートを着てる女を襲うんだって。
その噂をきいた近所の女子高生達が肝試しに大人数で試して。
その晩一人も帰ってきてないんだって。」

「普通幽霊って白いじゃん?
そいつは黒いの。
でも、なんかゆらゆらして、
人間とは思えない歩き方するんだって。」

その話を聞きながら、私は見た。

Vが笑っている。

いつものあけっぴろげな笑みでは無く、
口の端を釣り上げるような笑い。

へえ、怖いね、とか言って
席に戻る奴の唇が、微妙に動く。

嫌な感じがした。

さすがになんと言ったかまでは分からなかったが。

私は霊感こそ無いが、
勘は昔から鋭く、耳も良かった。

中学時代に
クラスの端での悪口を聞きつけて
大喧嘩したことだってある。

この勘は、
自分的には結構信用できる。

…Vが犯人なのではないか。

私は何の根拠も無くそう直感する。

少なくとも、
近い位置にはいるのではないか。

言われてみればVは基本的に服は黒、
阿呆に見えて考えが分からない節がある。

典型的な犯罪者タイプだ。

思い至れば即実行。

私はその日、講義が終わると
すぐに自分の車に向かい、
通用ゲート傍に路駐した。

Vは原付だ。

付けるのはたやすい。

案の定校外へと出て行く時に此方を見向きもせず、
Vは家の方へと帰る。

実家生であるVは、
独り暮らしの人間に比べると
かなり大学から離れた場所にすんでいる。

車で30分といったところか。

その日Vは直接帰らない様で、
古本屋に寄っていった。

当然私は、
車の中でシートを寝かせて待つ。

コンコン。

コンコン。

突然の窓をたたく音に、
私はシートから飛び起きた。

後部座席の窓ガラスに居るのは、V。

あ、け、て、く、れ、よ。

此方の方を向いて口だけを動かす。

ばれてしまっては仕方ない。

舌打ちしながらロックを解除すると、
Vは図々しくも無断で乗り込んできた。

「なんか用か。」

ばればれなのは分かっていたが、
とりあえずしらを切る。

だが、帰ってきたのは、
いつもの馬鹿っぽいVとは似ても似つかない、
それこそ何か取り憑いているような口調での

「手伝えよ。気になるんだろ?
赤いコートと黒服。」

の言葉。

あっけにとられる私に、
抱えていた紙袋をVが放ってきた。

そうか。

この店は古本屋と古着屋が繋がっている。

私が古本屋を見張っている間に
中で移動してきたのか。

今更そんな事に気付きながら
紙袋の中を覗き込む。

ああ、考えなくても分かる。

「今から学校まで戻ってよ。
それ着て、T川の川沿いの道の方にいこう。
ユーレイ退治するからさ。」

にやにや笑いが勘に触るが、
乗りかかった船だ。

しぶしぶ私の車で学校にとんぼ返りとなった。

すっかり暗くなった駐車場に車を止めて、
そのまま川沿いへと歩き出す。

「なあ、本当に出るのか?」

普段から不機嫌そうだと評される私だが、
今回は本当に不機嫌だ。

Vの挙動不審を追跡していれば、
いつの間にか幽霊探検だ。

不機嫌にもなる。

「ああ、でるよ。ほら。」

Vが投げてよこしたのは、携帯電話。

開いてみると、
ネットニュースが開かれている。

ニュース記事に書かれているのは

『女子高生4人軽傷・肝試し中不審者に襲われる』

噂話の正体はこれか。

ニュース記事だけみれば
完全に単なる春先の変質者だ。

これを幽霊と称するのは、
やはり「赤いコート」と
おあつらえ向きの条件があるためか。

なんでもそういうふうに捉えたがる人種には、
悪くない話なのだろう。

もっとも、
噂のほうで語られていた帰ってきていない、
は誇張だったのだろう。

「思ったより早かった。
こんなに早く動けるなんてさ。
なんかあったかな。」

前を行くVがこちらを振り返り、
笑った。

とびっきりの笑顔で。

わたしでは無い。

宝物でも見つけたような表情。

いいようのない悪寒が背筋に走り、
私は振り向いた。

いた。

黒い影。

人の形で、
両手をぶらりと下げている。

近づいてくる。

速い。

でも足は動いていない。

歩いていない。

直ぐに逃げるべきだったが、
私は食い入るようにその影を見つめていた。

もしかすると
金縛りとかいうやつだったのかもしれない。

影が影で無くなって、
人、いや顔や手がある存在であることを認識できた時、
ようやく私の口から

「あ、あ、」

という情けない声が出た。

と同時に、
影がゆっくりと顔と腕を上げ。

後ろから飛来した何かに打たれた。

多分ボールのようなものだったのだろう。

影が一瞬止まった隙に
私は抱えられる様にして引っ張られ、
そのまま走りだした。

普段から鍛えているのだが、
悔しい事にこの時はVの方が足が動いていた。

まろぶようにしか進めない私を、
殆ど右手だけで引き摺っていく。

「うしろみるな。」

背筋の冷や汗のまま、
振り向いてしまった。

よせばよかった。

やはり、ついてきている。

両手を前にだらりとおろして、
俯いて滑るように疾走する姿は、
まさしく幽霊。

白く無い事に違和感があるくらいだ。

「ひっ」
という声がでた。

瞬間、飛んだ。

がりり、という嫌な音を立てて
私はVと一緒に倒れ込んだ。

アスファルトの床は思ったより固かったが、
2,3回転がったためか然程痛くはなかった。

「ほらっ、見ろよ、これはみものだっ!!!」

突然Vが絶叫した。

弾かれた様に顔を上げると、
同時に、甲高い音が響いた。

クァーン。

電車の通過音。

ヤバイ、
と思って慌てて顔を伏せるが、
遅かった。

滑るように来ていた黒が、
横殴りに大きく跳ね飛ばされた。

顔は見えなかったが、
苦しげに歪んでいた様に思う。

そのまま走り去る電車。

「あははははははははははははははははははははははははははは!」

狂ったように笑うV。

だが、何を思ったか唐突に黙り、
難しい顔になった。

そのまま線路へと歩いて行く。

当然、そこにあるのは。

「困ったなあ。こんなになるとは。」

かろうじて上体を起こした私からも見えた。

真っ二つだ。

嫌な事に、縦に。

咄嗟に

「警察を呼んだ方がいいんじゃないか」

という事を口走る。

この黒服は幽霊じゃない。

こうして死んでいるではないか。

だが、Vは
まるで言葉の意味が分からないとばかりに首を振る。

「なんて説明するんだよ。
幽霊に幽霊が轢かれました、か?」

ゾクリ。

そうだ。

遮断機は下りていたか?
警報機の音はしたか?
列車のライトは?

そして、
大きく跳ね飛ばされた男の死体が、
何故上体を起こしただけの私に見えるのだ?

「退治したかったのはあっちだったんだがな。
コイツじゃ弱すぎた。」

Vが無感情にそう言い放った。

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