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霧の中にぼんやりと小さな人影が見えた。 - 超怖い話 実話

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霧の中にぼんやりと小さな人影が見えた。

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友人に聞いた話。

小学生の頃、
父親と二人で山道を下っていた。

霧が出ていたので、
互いに手を繋いで足元を見ながら歩く。

と…ふいに父親の手に力が籠った。

「お父さん、痛いよ」

そう言って顔を上げた。

父親は前方を睨んだまま、
険しい表情を浮かべている。

その視線の先を追うと、
霧の中にぼんやりと小さな人影が見えた。

「見るな!」

突然、父親が大声で吠えた。

「目を瞑れ!
儂がいいと言うまで絶対に開くな!」

只事でない剣幕に、
慌てて目を瞑る。

そのまま、
父親に引き摺られるように歩き続けた。

ジャリッ…ジャリッ…

足音が二人の横を通り過ぎる際、
小さく呟く声が聞こえた。

「ナンマンダブナンマンダブ…」

それから20年あまりの月日が経ったある日、
久しぶりに父親と酒を酌み交わしていて、
あの時のことを思い出した。

「あの人影、誰だったんだ?」

父親はしばらく黙っていたが、
やがて渋々といった様子で呟いた。

「お前だった」

それっきり何も言わず、
父親はコップ酒をあおった。

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2019.07.25|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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