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“ごめん、春にはきっと帰る” - 超怖い話 実話

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“ごめん、春にはきっと帰る”

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昔、聞いた話。

舞い落ちる雪の粒の中に、
極くまれに、木の葉型のものがある。

それを風文と言う。

風文は、人肌に触れ、融ける瞬間、声になる。

それは、山で遭難した人の今際のきわの言葉。

はからずも死者となり、
魂は黄泉路を、
身は山路に留まらざるを得なくなった者を、
雪様が憐れみ、近しい者に届けてくれる便りだ。

雪様の姿は千差万別。

ただ、いつも足元に白い仔兎が遊んでいるらしい。

それで、風文を貰った人は、
かぼちゃ程の小さな祠を作り、
中に小さな雪兎を祀る。

お供えは、熊笹の上、
胡桃の殻の片割れにお団子、
もう半分にお酒を上げる。

話してくれた夫婦は、
ご主人のオーバーの袖口に付いた風文から、
確かに息子の声を聞いたと言う。

“ごめん、春にはきっと帰る”

その言葉どおり、
翌年の春の終わりに、
彼は山から帰って来た。

以来、風文は来ないが、
息子の命日には、
庭に小兎のちょこなんと納まった祠が作られる。

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2019.08.25|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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