FC2ブログ

罪悪感から、まともに妻の顔を見ることが出来ない。 - 超怖い話 実話

ピックアップ!

罪悪感から、まともに妻の顔を見ることが出来ない。

IMG_2486.jpg

今の自分を表現するなら、地に落ちた小説家、だろうか。



要するにクズだ。



当たったのはデビュー作だけで、それ以降が続かない。



作家としての力はとっくに枯れ果てていた。



もちろん筆だけで食っていけるはずもなく、
今では妻にも働いてもらう始末。



なんて情けない。



僕はいつまでこんな生活続けるんだ。



「あなた、棚の奥から高そうなワインが出てきたの。
仕事中だけど、ちょっとどうかしら」



「ごめん今は少し集中したいんだ。
それに君にだって先にやることがあるだろう?」



僕は背中を向け、止まっていた手を動かし始めた。



罪悪感から、まともに妻の顔を見ることが出来ない。



「なによ、ちょっとぐらいいいじゃない。
あとで欲しくなってもあげませんからね」



去っていく妻の足音を聞いていると急に涙がこぼれそうになった。



僕は最低な男だ。



こんな惨めな人生に、あろうことか彼女まで巻き込んで……。



けど彼女は決して僕を責めなかった。



それどころか、こういう生活も慣れたら楽しいものだ、と笑って見せた。



もうあんな悲しい台詞言わせやしない。



今度こそ一発でかいのを当てて、新しい人生を始めるんだ!



数分後、再び妻が顔を覗かせた。



「めぼしい物はだいたい集めたけど、そっちはどう?」



「あぁ、ちょうど片付いたところだよ。
今回は当たりだといいけど」



カチャリ、と僕は金庫を開けた。





【解説】



















語り手は『仕事中』と言って、

金庫に対して手を動かしていた。



『今回は当たりだといいけど』

という言葉からも、

語り手の今の仕事は空き巣のようなものだろう。



空き巣のようなものを仕事と言っている時点で、

『要するにクズだ』

という言葉に同意してしまう。



『今では妻にも働いてもらう始末』

と言っていることからも

妻にもこの仕事を手伝ってもらっている。



そして、妻がこの空き巣のような仕事について

『こういう生活も慣れたら楽しいものだ』

と。



『あなた、棚の奥から高そうなワインが出てきたの。
仕事中だけど、ちょっとどうかしら』

という言葉からも

この仕事を本当に楽しんでいるようだ。



ただ、語り手としては

『今度こそ一発でかいのを当てて、新しい人生を始めるんだ!』

と、早くこの仕事を辞めたいと思っているようだが、

妻はこの仕事を楽しみすぎて、

辞める気がないのではないか?などと思ってしまう。



バレたらまずいはずだから時間をかけられないのに

仕事中にワインを飲もうとするほど肝が据わっているようだし…



この妻の考え方と行動が一番怖いように思えてしまう。

関連記事

スポンサードリンク

タグキーワード
2019.08.18|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
コメント
非公開コメント

トラックバック
Copyright © 超怖い話 実話 All Rights Reserved.
当サイトのテキストや画像等すべての転載転用・商用販売を固く禁じます