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猟師が来ると鳥は姿を隠してしまうが、 - 超怖い話 実話

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猟師が来ると鳥は姿を隠してしまうが、

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夏は茶色い、
あまり見栄えのしない色だが、
冬ともなれば真っ白な羽毛をまとうその鳥は普通、高山にいる。

夏の姿と比較されるだけに、
冬の白装束の美しさは格別だ。

その鳥が、寒いとはいえ、
標高の低いその山にいるのはかなり珍しい。

その鳥を近くで見かけたら、
その場所へ行ってみるのは里の人々にとって、
ちょっとした運試しだ。

時として鳥のいた場所には、
落し物が転がっている。

きれいな水晶や鉱物類、
玉虫の羽や、珍しい木の葉、琥珀、
庭にでも蒔けば、
ささやかな実りをもたらす果実の種などだが、
里の人々は鳥のいた場所に落ちている、
こうしたものを「不思議」と呼ぶ。

鳥を狙う猟師もいる。

鳥の白い姿が美しい冬にやって来て、
鳥を罠で捕らえようと山を駆け回る。

猟師が来ると鳥は姿を隠してしまうが、
その間に鳥は、
たくさんの不思議を用意しているのだと言われている。

そして鳥は、
茶色と白を行ったり来たりしながら、
気まぐれに不思議を残し、
里の人々の心に何かを残す。

ざっと二十世代に及ぶ歴史を持つ里だが、
もし鳥の不思議がなければ、
里の姿は内も外も、
ずいぶん違ったものになっているだろう。

今は夏。

鳥は茶色い羽毛をまとい、
不思議を探している。

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2019.09.10|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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