あのな、バカバカしいと思うかもしれんが。
神様って本当にいるぞ。
しかも目に見えるかたちで、そこらじゅうに。
去年の暑い夏の日。
道端でおじいちゃんが熱中症で倒れ込んでたのよ。
しかも、みすぼらしい格好で乞食みたいなじいちゃん。
「まるで貧乏神だな」
というのが最初の印象だった。
メンドーだからシカトしようとしたけど、他に誰もいないし、
しょうがねえなあと思いつつ、
そのじいちゃんの肩をかついでアパートまで送ってやったのよ。
人助けなんてガラでもないし、
そんなことしたのも生まれて初めてで、
誰にも言ってないけどね。
しかし不思議なもんでそれから1年。
ありえないほどツイてたな。
正社員に登用されて、
夏のボーナスも歩合がついてたっぷりもらったし、
何故か事務の一番かわいいこをゲットしたり、
営業もみんなが苦戦してんのに楽々契約取れたり。
ツイてるというより、
しつこい厄が一気に取れた感じかな。
俺はあの時のじいさんが、
実は貧乏神のフリをした天の監視員じゃないかな?と思っている。
そう思うと、
街のなかの大勢の人の中にまだまだ監視員が隠れているじゃないかな?
ただ単にラッキーな偶然が重なっただけで、
馬鹿な考えだと思うけど、
俺はそういうふうに考えて生きて行こうと思う。
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