祖父の死にまつわる、
ほんのり怖いというか不思議だった話。
祖父は全国でも数少ないそこそこ位の高い僧。
でもあんまり家庭を省みない人だった。
お酒とタバコ大好きな生臭坊主。
彼は大好きな酒とタバコを拗らせて癌になった。
入退院を繰り返して数年、
ある日ベッドの上で誰にも看取られずに死んだ。
これはあくまで伝聞だが、
看護婦さんが気がついた時には、
ベッドの上で座禅を組みながら穏やかに息を引き取っていたらしい。
以降は伯母から伝え聞いた話。
その祖父の死の前日、
やたらに風が強く吹いていた。
伯母が従妹(当時3歳)に
「風が強くて怖いねー」
と話しかけると、
従妹は
「おじいちゃんが来ただけだよ」
と答えた。
隣の市に住む伯母の家を祖父が訪ねたことなど一度もないはずなのに、
その日に限って。
伯母は特に気にも留めなかったが、
次の日の昼前突然死の知らせが入り、
あれは虫の知らせだったのかなと思ったとか。
そしてこれは私も実際に経験した話。
祖父の一周忌の前日、
親戚一同うちに集まって祖父の思い出話などをしながら酒盛りをしていた。
女癖が悪かっただとか、
高校卒業直前に教室の壁を剥がしてストーブに焚べて停学になっただとか、
まあそんな話をしていたら、突然パサっと何かが落ちた音がした。
振り向くと、
ダイニングの床にシキミの葉が落ちていた。
常識的に考えると、
どこかに引っかかっていた物が偶然落ちただけなんだろうが……
神懸かり的なタイミングに何かを感じた。
長文の割に大した話ではないけれど、
不思議なこともあるんだなと思った。
全国でも数十人とかいう高僧にもなれば不思議なパワーが使えたのだろうか、とか。
従妹はそろそろ10歳になるけれど、
このこと覚えているかな。
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