俺の田舎って、
お盆の最後の日に『帰らなかった者』を入れないように、
窓を閉めて寝る風習があるんだ。
小学校の時に、
友達とその話してたら、
その友達が、
「ウチの親がその日の夜、
川の方は絶対に見てはいけない」
って言ってたって。
「窓閉めるのは分かるけど、
『見るな』ってのは何で?」
って聞いたら、
むかしそこの上流に、
年老いた母親と孝行息子が住んでいたんだけど、
ある日、その息子が何かの罪の濡れ衣を着せられてしまい、
自分に何かあったら年老いた母親が独り残される事になるからと、
息子は必死に無実だと主張したけど、誰も話を聞いてくれず、
結局、足に重りをつけられて、海に沈められてしまったそうな。
以来、その時期になったら、
家に帰る為なのか母親に会いに来るのか、
川をさかのぼってくるんだって。
重い石をズル…ズル…っと引きずりながら。
で、もしそれを見たら、
連れて行かれてしまうって言ってた。
子供心に、可哀相だけど怖いと思った。
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