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もう10年以上前の大学時代のこと。 - 超怖い話 実話

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もう10年以上前の大学時代のこと。

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もう10年以上前の大学時代のこと。

実家の近所にある小さい運送会社で
荷分けやトラック助手のバイトをしていた。

現場を仕切っていたのは、
社長の息子で2つ年上の若旦那。

んでバイト仲間に同じく大学生のAくんがいた。

Aくんは自他共に認めるアホキャラだったが、
明るくて元気で同僚としてはすごくイイ奴だった。

会社は町外れの国道沿いにあったけど、
隣町の商店街の近くにも倉庫があった。

倉庫といっても普通の二階建ての民家。

一階が広い土間になってて、
何年か前までそこで商売をしていたらしいが、
借金とかで店を畳んで住人はいなくなり、
その運送会社が借金の片?として
手に入れたんだって。

ただすぐに使う当てもなかったので、
とりあえず空き家のままになっていた。

んであるとき、
若旦那が嬉しそうに俺に写真を見せてきた。

「見てみ?
あの倉庫で写真撮ったらコレよ!」

見ると薄暗い民家の中を撮った写真なんだが、
どの写真にも白っぽい丸い光みたいなのとか、
白い煙みたいなのがバンバン写っていた。

「うわっこれ心霊写真ですか?」

「凄いやろー。
あの家は出るんだよ」

人がバーンと写ってるわけじゃないので
俺は(レンズのゴミだったりして)と半信半疑だったけど、
しばらくして若旦那がその家に荷物を入れて
倉庫として使うことにした。

若旦那と俺とAくんが
移動する荷物をトラックに積んでいると、
普段あまり現場に来ない社長が
俺たちを呼んで言った。

「中崎(タカサキ?だったかもしれん)の家に行くんやろ。
二階には上がんなよ」

何のこっちゃと思ったけど、
倉庫として使うのは一階の土間だけと聞いていたし、
若旦那もあーはいはいと聞き流していたから気にしなかった。

三人でトラックに乗って
バカ話をしながらその家に到着。

正面のシャッターを開ける。

あまり空気の入れ替えもしないみたいで、
中はかび臭かった。

シャッターを開けると
4畳半ぐらいの土間があり、
その奥は茶の間と台所。

その奥に風呂と便所(らしい)。

向かって左側に
二階へ上がる細い木の階段があった。

奥行きのある家だったから
二階に二間ぐらいあるんだろうなー
とか考えていた。

土間を片付けて荷物を積み込み終わると、
若旦那がニヤニヤしながら言った。

「・・・なあ、二階行ってみようや」

俺はその日、
バイトが終わったら友人と呑む約束があったので
早く帰りたかったが、
Aくんは

「行っちゃいますかぁ?」

とノリノリ。

俺もイヤとはいえず
付き合うことになった。

靴を脱いで、
若旦那、俺、Aくんの順で階段を上がっていく。

やたらにきしむ木の階段を上がり切ると
薄暗い廊下になっていて、
右側に部屋が三つ。

入り口はフスマだった。

一番手前の部屋から開けていった。

一番手前(土間の真上)は
三畳ぐらいの物置。

真ん中と一番奥の部屋は6畳間で、
焼けた畳があるだけでカラッポだった。

白状すれば俺も

「社長がああ言ってたし、
何かあるかも」

とちょっとだけスリルを楽しんでいたが、
ぶっちゃけ何も起きなかった。

Aくんは

「何もないすねー」

とか言いながら
携帯で写真撮りまくってた。

「まーこんなもんだ。帰るべ」

と若旦那を先頭に
俺、Aくんの順番で階段を降りた。

トントントンと俺は土間まで降りて、
Aくんを振り返った。

俺に続いて
階段の一番下まで降りてきたAくんの様子がおかしい。

いつもニヤニヤしてるような顔なのに、
こわばった真顔で、
なんでか歯だけゾロっと剥き出して、
じっと立っている。

そして、
ビデオの逆再生みたいに、
今降りてきた階段を
こっちを向いたままで後ろ向きに登りはじめた。

俺も若旦那も冗談か?と思ったが、
Aくんはそのまま階段を
トン、トン、トン、トンと後ろ向きに登っていく。

進行方向を確認したりもせず、
顔はずーっとこっちを向いたまま。

真顔で歯を剥きだした顔のまんまだ。

Aくんは後ろ向きのまま階段を上がり切ると、
後ろ向きのまま廊下の奥に後ずさって行って、
見えなくなった。

なんか只事ではないと感じて、
俺と若旦那は階段を駆け上がった。

Aくんは廊下の、
一番奥の部屋の襖の前で正座していた。

上半身がふらーりふらーり揺れていて、

顔は泣き笑いというか、
ホロ酔いで気持ちよくなった人みたいに
目をつぶってへらへら笑っていた。

「おいA!」

と何度呼びかけても反応なし。

そして、
Aくんの前のフスマがゆっくり開いた。

Aくんが正座したまま
フスマの方へ少しずつ動き始めた。

Aくんの体は
そのまま部屋の中に入っていって、
フスマがまたゆっくり閉まった。

血相を変えた若旦那が
俺を押しのけて廊下を走り、
フスマをバーンと開けた。

俺も追いかけた。

Aくんはからっぽの部屋の真ん中で、
身体を伸ばした気をつけの状態で
うつ伏せに横たわっていた。

二人でAくんを引きずり起こした。

そのとき、
Aくんがずっと何かを呟いているのに気づいた。

俺にはこう聞こえた。

「さしあげますから。
さしあげますから。
さしあげますから。
さしあげますから。
さしあげますから」

そのままAくんを外に引きずっていったが、
いくら呼びかけても正気に戻らない。

若旦那が携帯で救急車を呼んだ。

尻つぼみで申し訳ないけど、
その後のことは断片的にしか知らない。

その後、
若旦那は社長にムチャクチャに怒られてた。

事務所の衝立の向こうで
話の内容はよく聞こえなかったけど、
他の社員さんがポロッと漏らしたのは、
借金で店を畳む時にあの家で人死にがあったらしい。

もちろん社長は知っていて、
何かの手続き(お祓い?)を済ませて

「きれいになったら取り壊すつもりだった」

とか何とか。

それ以上の詳しいことは、
若旦那の口からも聞かせてもらえなかった。

Aくんは精神的な発作だろうということで入院した。

何度か見舞いに行くうちに
お母さんから話を聞いた。

Aくんは夜になると
毎晩ベッドから出て、
床でうつ伏せに横になっているとのことだった。

あのときAくんが写真を撮っていた携帯の画像を
見せてもらえないかとお願いしてみたが、

「もうお寺さんに預けてありますので」

とのことで、
写っていたものは見せてはもらえなかった。

しばらくして
俺は大学が忙しくなってバイトを辞め、
やがてAくんの見舞いにも行かなくなってしまった。

最後に行った時は
もうAくんはガリガリに痩せていたが、
それでも毎晩床にうつ伏せに寝ていたそうだ。

軽はずみにあんなことをするんじゃなかった、

俺にもなにか起きるかも…
とビビっていた時期もあったが、
結局、俺の身の上には何も起きなかった。

今のところはね。

バイトしていた運送会社はまだあるが、
こないだ帰省した時に前を通りかかったら、
あの倉庫はなくなって駐車場になっていた。

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2020.06.28|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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