親父に聞いた話ですが…。
当時の親父の趣味は渓流釣りで、
たまたま山中で知り合ったマタギを生業にしていたAさんに教えて頂いたそうです。
Aさんは当時、
群馬県の利根川を7日~20日位かけて野宿をしながら鮎やマスなどを、
下流から上流へと釣りのぼり、
民宿などへ卸していたそうです。
そんなAさんが何度か経験した怖いお話です。
いつものようにポイントを変える為に山中を歩いていると、
その人の表現『山がわらう』で、
静かだった山中が急にザワザワと騒がしくなり、
四方八方から視線を感じる時があるそうです。
そして、そういう時は必ず決まった行動をしたようです。
釣った川魚を腐敗防止の為にさばきながらザックに入れていたそうですが、
さばきに使用するナイフをザックの口部分に刃が真上に向くように固定して、
歩き続けたそうです。
そうすると不思議と『わらい』が収まったのだそうです。
Aさんとは一度だけ会ったことがあります。
私が小学生の時、
親父に初めて釣りに連れていってもらった時です。
Aさんの容姿は全く記憶にないのですが、
釣り上げたその場で焼いてくれた鮎の塩焼きの味だけはハッキリと覚えています。
とっても美味しい鮎でした。
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