怖い話 実話 短編
私の家には存在しない家族がいます。
その架空の存在しない人間宛てに、雛人形のダイレクトメールが届いたことが始まりでした。
宛名の住所と名字は我が家のもので合っています。
家族は、両親と兄、私、弟です。
私とは数年ズレて雛人形のDMが来たことから、我が家の誰かと間違っているわけではないようです。
その人間も年々成長するらしく、小学校入学時にはランドセルや学習教材のDM
英会話教室や子供用保険の電話勧誘、中学や高校生になるとそれ相応のDMやハガキなどが届きました。
電話での勧誘の際、母がよく
「 うちには、その様な年齢の子供はいないんですけど ・・・」
と伝えましたが、相手側は断り文句程度にしか思わないのか、その後も電話は定期的にかかってきました。
我が家にとっては、存在しない家族である人間ですが
長いこと連絡がくると、不思議と親近感が沸き
目には見えないけれど存在はしているような錯覚を覚えています。
今では電話がかかってくると
「今はいません」等と対応するようになりました。
昨年我が家には振袖のDMが大量に届きました。
無事成人したようです。怖い話 ★★★☆☆
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