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【怖い話 実話 事件】オオカミに育てられた少年・ジュマ 世界の怪事件・怪人物 長編 - 超怖い話 実話

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【怖い話 実話 事件】オオカミに育てられた少年・ジュマ 世界の怪事件・怪人物 長編

旧ソビエト領内にトルクメニスタンという国がある。1957年4月、

このトルクメニスタンのタシャウズ市から約70km

離れた森の中で、地質学者のチタレンスキー教授たちは

地下を流れる水脈の調査を行っていた。

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調査を継続しながら移動していた時、

チームの一人が洞穴(どうけつ)を見つけた。

「この森にはオオカミが出るので十分気をつけるように。」と、

この森に入る前、地元の人たちから念を押されていたことを

全員が思い出した。そこはいかにもオオカミが住んでいそうな

洞穴だったのだ。

離れた所からしばらく洞穴を観察していると、

中からオオカミが出てきた。

やはりこの穴はオオカミの巣だったらしい。

オオカミはまた一匹出てきた。

しかし、その次にメンバーたちが目にした

ものはオオカミではなく、

今度は人間の子供だった。4~5歳くらいの、

どう見ても人間の子供としか思えない生物が

全裸で四つんばいになって、オオカミに

混じって洞穴から這(は)い出してきたのだ。

こんな森の中に幼児が一人で来ることなどは

あり得ない。一瞬とまどったが、

歴史上、オオカミに育てられた人間というのは

いくつか例があり、世の中にはそういったことも

あるということはメンバーたちも知っていた。

あの幼児もそのパターンではないのか?

すぐに幼児を助け出そうとしてメンバーたちが

洞穴に近づこうとしたが、その瞬間、

後ろから動物のうなり声が聞こえてきた。

びっくりして振り向くと、そこには5匹のオオカミたちが

教授たちを睨(にら)みつけていた。

恐怖に引きつり、教授とチームのメンバーたちは

全速力で逃げ出した。幸いオオカミたちは

追っては来ず、何とか無事に逃げることが出来た。

宿で落ち着いてみんなで話し合った結果、

やはりあれはオオカミに育てられた子供であり、

救出すべきだということで意見がまとまった。ただ、

相手はオオカミなので、自分たちでは到底無理である。

軍に頼んでみたらどうかという意見が出された。

二日後、要請を受けた軍が現地に到着し、

陸と空と二手に分かれて救出作戦が開始された。

5匹のオオカミはうなり声を上げて攻撃体勢に入っていたが、

軍は情け容赦なく発砲し、

特にヘリコプターからの機関銃の威力はすさまじく、

5匹とも形が分からなくなるほどの

弾丸を打ち込まれて死亡した。

歩兵が洞穴の中に入ると連絡通り幼い少年がいた。

だがまるで人間らしさがない。

歯を剥(む)き出しにして四つんばいなり、

うなり声を上げている。

少年はすぐに捕らえられて檻(おり)に入れられた。

この少年はクラスノボドスク市にある

精神病院に送還されることとなった。

少年は言葉もしゃべれず理解も出来なかった。

当然名前も身元も、どういういきさつであの

洞穴で暮らすことになったのかも分からない。

手のひらとヒザには硬いタコが出来ており、

普段から四つんばいで歩いていたのは確かだった。

病院に収容された後、

少年はジュマイフ・ジュマ・ジュマイビッチと

名付けられた(以下ジュマ)。

ジュマは服を嫌い、食べ物は動物のように口だけを

使って食べ、手は使わない。大便をした後には

臭(にお)いをかぐ、夜になると月に向かって吠えるなど、

その生態はまるでオオカミそのものだった。

他の子供から隔離されて独房に入れられたが、

最初は食事を持って来る人に対してもうなり声を

上げて警戒していたが、それはだんだんと

少なくなっていった。ただ、風呂は嫌いで、

無理やり風呂に入れようとすると暴れだしたり

逃げ出したりする。仕方なく部屋に子供用の

ビニールのプールを置いて、自分から

水浴びをするまで待つことにした。

この施設では、ジュマを人間らしく教育する

というようなことはほとんど行われなかった。また、

その逆に、ジュマに対して何かを

強制するというようなこともされなかった。

主に観察だけが目的のような形で、ここで面倒を

見ることとなった。ずさんと言えばずさんな

管理体勢であるが、この方針はジュマにストレスや

苦痛を与えることがなかったので、結果的には

この方が良かったということになる。

ジュマはここで3年ほど過ごした後、今

度はグルジカヤという町の精神病院に移された。

ここでもジュマに対して強制するようなことは

ほとんど行わないという方針で育てられた。

したがってジュマが土に穴を掘ってそこで寝ても

部屋に連れ戻したりせず、月に向かって

吠えていてもそれを止めさせたりはしない。

しかしここでは前の施設とは違い、人間らしい教育も

少しずつ行われた。服を着ること、手を使って食べること、

言葉や数字、文字などが根気よく教えられた。ジュマは

ここで7年近くを過ごした。森で保護されてから

すでに10年近くが経っていた。

ジュマは推定年齢で15~16歳にはなっていたが、

ようやく挨拶程度の言葉や10までの数字を覚える

ことが出来た。3回の食事のうち1回は手で

食べるようになったが、まだナイフやフォークが

使えるというようなレベルではなかった。

人間社会で暮らすようになって10年が経ち、

ようやく3~4歳のことが出来るようになったのだ。

人間は生まれてから3~4歳で知能が形成される

という説がある。つまりこの期間が人間にとって

いかに大事であるかということであり、

その期間オオカミとして育てられたジュマは、

それ以降に人間社会で生活するようになっても、

すでに動物の脳となっており、知的レベルが

一般の人間と同じようになることはなかったのだ。

ただ、元々が人間であるから潜在能力として

人間らしくなるという可能性はあったものの、

現実は相当知的レベルが遅れた人間として年月を

重ねていくことになる。しかしジュマは幼い子供並の知能

しかないというだけであって、決して

精神異常者というわけではない。

しばらくしてジュマはまた移動させられた。

今度はアシュハバード市にある精神病院である。

ここの院長はこれまでの施設の院長に比べる

とジュマに対して随分と冷たい院長だった。

これまで行ってきた言葉や算数の勉強も中止となった。

自分が嫌われていることが分かったのか、

ジュマは自分の部屋で寝ることを拒否し、

庭に穴を掘ってそこで寝るようになった。

月に向かって吠えたり、歯を剥(む)き出しにして

唸(うな)ったりと、せっかくこれまで少しずつ

人間らしい教育が進んできたのに、この施設では

再びオオカミの方へと戻っていった。

ただ、この施設にいて一つ良かったことは、

付近に住む老人たちが差し入れにと色々な

食料をジュマに持って来てくれたことである。

「オオカミに育てられた男」ということはこの付近で

噂になっており、ジュマはこの地域ではちょっとした

有名人になっていたのだ。

ただ、この老人たちも見世物を見るような気持ちで

ジュマに接したのではない。

差し入れやボランティアの根本には「命あるものは

全て平等であり、決して人間のエゴイズムで

判断してはならない。」

というロシア正教の考えがあり、住民たちはみんな

ジュマに対して好意的であった。

この住民たちとの触れ合いはジュマにとって貴重で

あった。ここでジュマは10年近くを過ごした。

だが、院長はこういったジュマと住民との接触を

良く思っておらず、ジュマは今度はイラン国境近

くのカリニンスキー村の病院に移されることとなった。

だが、ここでの暮らしがジュマにとって最もつらいものとなった。

この施設では「オオカミの子供」とののしられ、

いじめにあった。優しく接してくれる人も

差し入れの食べ物を持ってきてくれる人もいない。

いじめは多数の人間から受け、味方についてくれる

者はいなかった。ジュマは人間に開きかけていた

心を再び閉ざす。唸(うな)ったり

敵意を剥(む)き出しにしたり施設の外で

穴を掘って寝るようになったり、どんどんと

オオカミの生活に逆戻りしていった。

しばらくしてまたジュマは移動することとなった。

以前いたアシュハバード市にある病院の院長が代わり、

新しい院長がジュマを呼び戻したのだ。

以前の冷たい院長とは違い、新院長はジュマに対して

好意的で熱心に接してくれた。言葉や算数は

当分勉強していなかったのですっかり忘れていたが、

この病院で最初から教育されることとなった。

付近の住民との交流も再び始まった。この直前にいた

病院はひどい待遇であったが、ここならば精神の

安定した生活を送ることが出来る。

ジュマは1998年の時点で推定年齢46歳となっており

(2010年の時点での生死は不明であるが)、

ある程度の言葉は話せるようになっており、

人間として最低限の生活も出来るようにはなった。

しかし知能的にはとても年齢相応とは言えず、

保護されて40年以上も経つのに依然として

オオカミの習性は抜けていない。

心理学者の富田たかし氏の説明によれば、

「人間は人間の環境に育つから人間になるのであって、

脳が人間でもオオカミに育てられればオオカミになる。」

と述べている。

また、肉食であるはずのオオカミが、幼児のジュマを

食べずに育てるようになったということも不思議ではあるが、

富田教授によれば「哺乳類は敵を見分ける能力と共に、

相手が幼い生物であった場合、それを育てるという

母性本能のような習性を持っている。

ジュマを見つけた時オオカミが空腹であれば

食べられていたかも知れないし、そういったタイミング

的なものもあるが、イヌ科の動物が他の動物の

子供に乳を与えて育てるという例は数多く存在する。」

とも述べている。

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2016.09.23|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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