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【怖い話 実話 洒落怖】1Kの部屋に住んでいた俺 長編 - 超怖い話 実話

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【怖い話 実話 洒落怖】1Kの部屋に住んでいた俺 長編

深夜。就寝中。

当時、1Kの部屋に住んでいた俺は、

ベッドを窓際に置いていた。

ベッドの頭の位置からは、

IMG_1454.jpg


キッチンの廊下越しに玄関が見える。

その廊下と部屋をしきる、

磨りガラスが真ん中に付いたドアが一つ。

そんな部屋構成だった。

どうしても、部屋を真っ暗にしてからで

ないと寝られない俺は、

暗闇の中で、ふと自分の躰が

動かなくなっていることに気付いた。

(やばいなぁ・・・金縛りかなぁ・・・)

霊に対する「居る」「居ない」という

議論に中立を守る俺は、

結構冷静に自分の状態を分析していた。

天井に向かって仰向けのまま、全身が

動かなくなっている。

意識はあるのだが、

四肢すら動かすことが出来ない。

動かしたくても動かせないのは、

長時間の正座で足が痺れてしまうのに似ていた。

それがずっと全身に渡って続く感じ。

その金縛りの中、

(どうしようかなぁ・・・

これから)などと呑気に考えていると、

気付いたことが一つ。

廊下のドアの外に、誰かが居る。

ジッと息を殺して、

ロングコートで顔の見えない女が

廊下に立っている。

何故か、扉の向こうに立っている筈なのに、

容姿までが分かってしまっている。

それに、どうして女性だと判断できたのか?

そして。

部屋の電気は消えているので、女どころか、

自分の部屋の壁すら見えない筈だ。

未だに分からないが、

その時は瞬時にして理解していた。

女が立っている。

相変わらず躰は動かない。

女がドアの外に居ることの恐怖感よりも、

この状況に変化が起きないことの方が

怖かった。

おそらく、あの磨りガラスには姿らしき影が

映っているはずだ。

微妙に揺れながら。

こちらへ入ってこようとしているのか。

それとも、別の意志か。

変化の起きない状況に、自分の精神が圧迫され、

心臓の鼓動がゆっくりと高まっていくのに気付く。

荒い息づかい。

その呼吸は、果たして自分のモノか、女のモノか。

耳の内側に、最大の音量で迫ってきた自分の

心臓の鼓動が、

ピークに達したとき。

自分のベッドの上で上半身を

起こして目が覚めた。

耳の中の鼓動が、徐々に小さくなっていく。

呼吸が荒い。

寝汗が酷い。

全身がビッショリだ。

着替えたい。

相変わらず暗闇だ。

女の気配はない。

この部屋には一人だ。

「夢か・・・」

声に出して言ったのは、

そうであって欲しかったからという希望と、

現実に帰ってきたことを実感したかったから。

いつものように慣れた手で蛍光灯の紐を引き、

明かりを付ける。

磨りガラスには何も写っていない。

ホッとしている自分を感じながら、

来ていたTシャツを脱ぎ、

再び布団の中へと戻る。

今度は、(夢と思っても)恐怖から

部屋の明かりは消さず、

そのまま寝ることに。

・・・消しておけばよかった・・・。

心地よい眠りと共にやってくる休息に、

精神も和らぎかけた頃。

ゆっくりと、しかし確実に寄ってくる。

「波」がジワジワと俺の周りを囲むように。

俺の周りの空気だけ、

一瞬にして凝縮したかと思うと、

一気に迫ってきた。

再びウトウトしてきた俺は、

またしても金縛りにあったのだ。

(また夢なのか?!)

叫びたいのに叫ぶことも出来ず、

躰を捩らせることすら出来無い事に苛立ち、

時間を置かずにパニックになっていく。

すると、部屋の以上に突然気付いた。

まただ。

居る。

顔を横に向けることが出来ない。

でも、「居る」のは分かる。

しかも。

今度は、ドアがほんの少しだけ開いている。

(マズイ!ヤバイよ!)

叫びたい。

助けを呼びたい。

必死になろうとすればするほど、

躰が動かない。

精神は揺れているのに、

客観的に見たら、全くの「静」。

俺は動かない。

部屋の中でも動くモノはない。

ただ、ドアが開いているだけだ。

ほんの少し。

涙が流れているのを感じた。

鼻水も垂れている。

涎も流れているようだ。

でも、声は出せない。

そして。

居るんだ。

そこに。

ドアの向こうに。

明かりを付けたから、今度は分かる。

磨りガラスの向こうで、

ゆっくりと何かが揺れている。

精神が膨張に増す膨張をし、

破裂しそうになったとき。

目が覚めた。

涙と鼻水と涎でグシャグシャになった俺は、

明かりの点いた部屋を見る。

ドアは開いていない。

磨りガラスにも何も写っていない。

(もういやだ!もういやだ!)

部屋を出て行こうとした時、

自分の躰に起きた異常に、

精神が凍り付く。

躰が動かない。

気付いたら、寝ていた。

部屋にいた。

明かりの点いた部屋で、

俺は寝ている。

ドアの外にいる。女が。

今度は、さっき開いていたドアが、

更に少し開いている。

目が覚めた。

ドアは開いていない。

女もいない。

それが何度も繰り返され、

夢なのか現実なのか区別も付かないまま、

とうとうドアは全開になった。

居る。

もう見える。

部屋の中に入らず、

ジッと俺のことを見ているように

立ち尽くしている女が。

くすんだオレンジ色のロングコート。

目深に立てた襟のせいで、顔が見えない。

何故か、女の全身は

まるで豪雨の中を歩いてきたかのように

びしょ濡れだ。

廊下に水が滴っている。

その水滴は玄関から続いているようだった。

玄関の鍵はかかっている。

なのに、どうして玄関から水滴が

続いているのか?

恐ろしい考えに辿り着く前に、

目が覚めた。

女は居ない。

ドアも閉まっている。

でも、躰がまだ動かない。

気付いたら部屋だ。

また俺は寝ている。

女が居る。

大声を上げたかった。

でも声は出せない。

恐ろしい事が起きていた。

女が、ほんの少し、

部屋の中に入ってきていて、

立ち尽くしていたのだ。

じっと動かない。

垂れている水滴も、部屋の中まで来ている。

覚悟した。

恐らく、夢と現実を繰り返しながら、

女は近寄ってくるのだろう。

俺の側まで。

推測は当たり、徐々に女は近づいてきていた。

動くのは躰から垂れる水滴ばかり。

手足も一切動かないのに、

夢と現実を行き来しながら、

女は近づいてくる。

俺の精神は発狂寸前だった。

目が覚めればドアは閉じていて、

誰も居ない。

気が付けば、ドアは開いて女が居る。

それの繰り返し。

しかし、無限の繰り返しではなさそうだ。

何故なら、近づいてきているからだ。

俺の側に。

そしてとうとう、女は俺のベッドの側まで来ていた。

俺を見下ろしているのだろうが、顔がよく見えない。

呼吸をしているのかすら分からない。

俺の精神はその時、何故か落ち着いていた。

極限に迫った状態がなせる、

精神の自己防衛本能だと思う。

(好きなようにしろよ・・・)

変に覚悟を決めていた俺は、

何が起きても怖くなかった。

「さぁ殺せ」

くらいの勢いだったと思う。

女の顔は見えない。

しかし、俺を見つめている気がする。

滴る水滴。

静かな衝撃が俺を襲った。

今の状況が夢なのか現実なのか

判断できない俺にとって、

もうどうでもいい衝撃だった。

目が覚めた。

部屋の明かりは「消えて」いた。

Tシャツも「着て」いた。

・・・。

・・・・・・・。

全てが夢だったのか?

・・・。

・・・。

・・・・・・・!!

躰も動く!

急いで上半身を起こした。

全身に疲れが襲ってきた。

大量の汗が噴き出す。

状況を認識するまで、

息を止めていた自分に気付き、

咽せ返しながら酸素を貪った。

徐々に呼吸も落ち着いてくる。

部屋の照明を「また」点け、ドアを見る。

やっぱり開いていない。

「夢だよ。・・・夢」

現実をたっぷりと味わうように、

わざと大きめの声で言った。

汗で濡れたTシャツを「再び」脱ぎ捨て、

ベッドの下に放る。

ベチャッという音と共に、床に張り付いた。

深呼吸をして、さぁ、寝るかと心を安らかにして。

・・・うふふ。

瞬時にして走る背筋の悪寒。

誰だ。

俺 の 頭 の 上 で く ぐ も っ た 

笑 い 方 を す る の は 誰 だ ?

天井を見上げた俺は、

恐らく一生涯忘れることの

出来ない女の目と遭遇する。

あのロングコートの女は、居たのだ。

まだ。

天 井 に 膝 を 抱 え た 体 勢 で 

張 り 付 き 、

俺 を ず っ と 見 下 ろ し て い た の だ 。

凍り付いた。

全てが。

終わった。

全てが終わった。

そう思ったとき、確かに女の口は耳端まで裂けた。

笑ったのだ。

そして、膝を抱えていた両手を拡げ、

全身を大の字に開いて、俺の上に

落 ち て き た 。

早朝。目覚めの時。

冷えた空気が窓の隙間から流れ込み、

そろそろ秋を迎えると感じさせる温度。

降ってきた女に精神が耐えきれず、

気を失ったらしい。

しかし、何も起きていなかったようだ。

ドアは閉まっているし、

照明も寝る前に消したままだ。

汗で濡れたTシャツだけは、

寝ている間に脱いだのだろう、

床に放ってある。

何が何だか分からない俺は、

混乱しながらも今の時間を時計で確認し、

ゆっくりと起こした上半身を捻りながら、

異常がないことを確認する。

たっぷりと二分は見回した後、

安堵のため息をついた。

なんだったんだ、いったい・・・。

何もかもが分からないことだらけ。

それでも、朝を迎えることが出来た。

・・・夢として割り切ったほうが良いんだろうと、

本能は伝えていた。

そして、カラカラに乾いた喉を潤すため、

ベッドの中から出ようと布団を掴んだときだった。

初めて、大声で叫んだ。

何故なら。

布 団 の 上 に 、 

両 手 両 足 を 拡 げ た 形 の

人 型 の 「 くぼみ 」 が 

出 来 て い た か ら だ っ た 。


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2016.11.28|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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