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【怖い話 実話 洒落怖】「あのドアの奥になかったっけ?」 短編 - 超怖い話 実話

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【怖い話 実話 洒落怖】「あのドアの奥になかったっけ?」 短編

こんなこと話していいのかわからないが、

一応時効ということで。

10年以上前、俺が高校1年の時によくツレと一緒に

郊外の廃屋に忍び込んでシンナー吸ったりしてた。

IMG_2052.jpg


そこは先輩たちから譲ってもらった場所で、

もとラブホだったらしくて幾つかの部屋には

ベットも残ってた。

もちろんそこへ行くのはいつも夜中だったから、

懐中電灯を持っていって主にロビーだった場所で

ダベっていた。

スプリングがキシキシいうけど

、一応ソファーがあったから。

大体そこに行くツレは4,5人だった。

悪い連中には格好のスポットだったけど、

俺たちの前にいた(高校の)先輩たちが

相当ムチャする人たちだったので、

他のやつらは寄り付かないという

最高の場所だった。

その日も俺含め5人でロビーでダベってた。

小雨がパラパラ降る音がしはじめた時、

アホのシロウが

「トイレね?」

と言い出した。

ションベンは普通外の草むらでしてたんだけど、

雨が降ってきたから出たくないらしい。

「あのドアの奥になかったっけ?」

とツレの一人がロビーの奥の扉を懐中電灯で

照らした。

「ああ、でも水でねーぞ」

と言ったが、シロウは

「いいのいいの」

と言って懐中電灯持って消えていった。

「あったあった」

と間の抜けた声が小さく聞こえた。

しかしそれから10分たっても20分たっても

帰ってこない。

さすがに気になって、一人が

「おい長グソかー?」

と言いながら奥の扉を開けて入って行った。

そしたらちょっとして青い顔で出てきた。

「おい、おらんぞシロウ」

おらん?

「おらんつーか、とにかく見てみろ」

というので全員でドアを開けた。

そこは事務室のような所だった。

二部屋がつながっていたが、

トイレがないことはすぐにわかった。

というより、他にどこにも出入り口はなかった。

シロウが一本持っていったので懐中電灯が

二本しかなかったが、

人が入れそうな場所はどこにもないのは

明らかだった。

そのあと、ロッカーとか机の裏とか徹底的に探したのに

結局シロウは見つからなかった。

その状況の異常さに俺たちは真っ青になって、

とりあえずこのことは誰にも言わないように

しようということになった。

俺がいうのも何だが、

シロウの家はまともな家庭じゃなかったせいか、

息子が帰ってこないというのに捜索願いも

出さなかったようだった。

結局失踪あつかいされたままシロウは忽然と姿を消した。

俺たちはもう、そのラブホには行かなくなった。

高校卒業したあとも俺はずっとそのことが気になっていた。

消え去ったことよりも、

シロウがなぜ「あったあった」と言ったのか。

なぜかそれが無性に怖かった。

何年かして、街でたまたま当時のツレと会った。

サ店で喋っていると自然にあの事件の話になった。

ツレはあのあと先輩に

なぜあのラブホが廃屋になったのか

聞かされたという。

ゾクッとした。

客が何人か行方不明になったからだと。

どんな風に消えたのかは分からないが、

それだけで十分だった。

ツレはそれを話したあと、

なぜか俯いて氷だけになったレモンティーを

ストローでかき混ぜ続けた。

油汗が浮かんでいたので、

「おい、どうした」

と肩をゆすった。

するとツレはあの時の、シロウが

「トイレね?」

と言ってからの細かい流れを話し始めた。

そして

「俺があの時、シロウが入った扉の一番近くに

いたの覚えてるか」

言われるとそうだった気がする。

「俺な、扉が閉じたあとで小さな声を

聞いたんだけどよ」

「あったあった、って言ったやつやな」

ツレは青い顔で頷いて続けた。

「あれな、シロウの声じゃなかった」

数年分の鳥肌が一気に立った気がした。


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2016.11.28|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
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