【怖い話 実話 心霊・怪談】「苦しい、苦しい」 信じられない話 長編 - 超怖い話 実話

ピックアップ!

【怖い話 実話 心霊・怪談】「苦しい、苦しい」 信じられない話 長編

俺は小学生の頃から怖い話が好きで、それ系の本や

テレビの特番やなんかは必ず見ていた。

高校に入っても、クラスの好き者と集まってはよく

怪談話をしていたし、霊を見たいと思っていた。

IMG_1435.jpg


ある日、教室で弁当を食いながら、いつもの連中、

K(リーダー格)や

D、Sなんかと怪談話をやっていると、同級生のYが何気に

仲間に加わってきた。

その時、女の子もいて「キャー、キャー」やってたから、

Yも一緒に騒ぎたくなったのだろうと思った。

するとYは、「おい、K。おまえ、幽霊見たことあるのか?」

と聞いてきた。

Kは「ないよ。見ようとしていろんなことやったり、

行ったりしたけどな」と答えた。

「おまえが霊を見たいなら、

確実に見れる方法を教えてやろうか?」

「なに???」

Yによると、Yはいわゆる見ちゃう奴で、

子供の時からそうだったので、今ではもうなんともないという。

ただ、霊によってはかなりきつい時もある。

だから、遊び半分であまり霊とは関わらないほうがいいし、

俺たちがよくそれ系の話をしているので、

ちょっと忠告にきた、とのことだった。

「俺のいうとおりにすれば、絶対に見れるけど、

どうする?」

「おお!教えてくれ!」

他の連中も「マジかよ!」「見ようぜ!」とか

言って興奮している。

Yによるとその方法は、不慮の事故とか、殺人とか、

この世に未練を残した人の死んだ現場に行って、

心の底から同情してやることだ、という。

本当にあなたは可哀想な人だ、

この世でまだやりたいこともあっただろうに、

できることなら私が替わってあげたかった・・・

というふうに。

そうすれば、必ず幽霊が現れるという。

俺たちはさっそくその週末の土曜日に

実行することにした。

メンバーはいつもの、K、D、S、俺、

そしてOBのS先輩の5人。

いつもキャーキャーいっている女どもは

怖すぎるといって、不参加。

場所は東京の郊外にあるO市の山道だ。

(我々はK市に住んでいた)

そこは、24才のOLが乱暴され亡骸で

発見された場所だった。

土曜の深夜12時に、俺らはS先輩の家の前に

集合して、先輩の車で現地に向かった。

車中、みんなそれぞれギャグをかましながら

陽気にしていたが、内心ビビッてるのは

明白だった。

俺も、車が街道から田舎道に入って、

あたりが鬱そうとしてくるにつれ、こりゃ、

やっぱまずいんじゃねーか、と思い始めてきた。

対向車もいなくなり、まわりが畑や林ばかりに

なってくると、先輩の隣で地図を見ながら

ナビしてたKが「この辺だぞ」と叫んだ。

声がうわずっているのがわかる。

時計を見ると1時半を少しまわっていた。

車を道の端に停めて、

俺たちは現場を探すことにした。

俺はカセットテープレコーダーと懐中電燈、

それと密かに持ってきたお守りをポケットに

入れて外に出た。

Dがコンビニで買った「写るんです」でその辺を

バシバシ撮ってる。

S先輩が車に残り、ヘッドライトを消すと、

いきなり暗闇になったが、道沿いの外灯と

月明かりでわりとまわりが見える。

山のほうへと続くわき道を50メートルくらい入り、

現場らしきところを探していると、

さすがに背筋が冷たくなってくる。

ここら辺で人が殺されたんだ・・

しばらく歩いていると、「あっ」とSが声を上げた。

「どうした?」と俺が聞くと、Sは斜め向こうの

地面を指している。

見ると、そこだけ草が取り払われ、

小さいお猪口みたいなものに線香がささっていて、

まわりに花が供えてある。

俺は懐中電燈でそこを照らしながら、

皆の顔を見た。

月明かりのせいか、青白い精気のない

表情をしている。

全員無言。

俺は情けないことに足が震えて、

腹のあたりの力が抜けてきたのを感じた。

これはまずい。

どう考えても尋常じゃない。

俺が「やっぱよそうぜ。シャレになんないよ!」

というと、Kは「何言ってるんだ!

ここまできたんだぞ。やるしかねーよ!」と、

ひきつった顔つきで食ってかかる。

DもSも泣きそうな顔をしている。

「本当に出てきたら、どうすんだよ・・・」

Dがか細い声を上げる。

「ばかたれ!それを見に来たんだろうが。

でも・・逃げればいいよ」

Kも怖いに違いない。

必要以上に大声で怒鳴る。

結局Kの勢いに負け、

霊を呼び出すことになった。

全員で目をつむり、花が供えてある場所に

向かって両手を合わせ、いち、に、のさんで同情する。

俺はカセットを録音状態にして、足元においている。

全員両手を合わせ、身じろぎもしない。

あたりからは、虫の鳴き声と、ときどき吹く風に

そよぐ葉の音以外は何も聞こえてこない。

俺は目をつむりながら、「○○さん(名前は

調べてあった)、頼みますから出て来ないで

ください」と一心不乱になって祈っていた。

俺は、冗談じゃない、幽霊なんて見てたまるか、

と思っていた。

あれほど見たがってたのに、

いい気なものである。

しばらくそうしていると(実際は1分も

経っていないと思う、今から思えば)、

一瞬まわりの空気が変わったような気がした。

なんていうか、密度というか濃さというか・・・

そして、口の中がおかしい。

妙にきな臭いような、錆びくさいような感じになってきて、

これは恐怖でのどがカラカラになったに違いない、

あるいは貧血の前触れかも・・・

などとあれこれ考えていた。

すると、「あぅっ!わわわぁ!」

と声にならない叫びがあがった。

「ど、どうした!」俺は飛び上がり、

他の連中を見た。

Kが座り込んで、口を大きく開けたまま

前方を凝視している。

見ると、女があお向けに寝転がって、

首だけ起こしてこちらを見ている。

俺は頭が真っ白になった。

まるで映画のワンシーンをスローモーションで

見ている感じとでもいおうか。

「あぎゃーっ!!!」

転げるようにその場から逃げ出し、

もと来た道をめちゃくちゃに走った。

前方をDとSが走ってるのがわかった。

(あれ、Kは。それにカセットを忘れた)

信じてもらえないかもしれないが、大パニックの

さなかに俺はそんなことを考えていた。

そして後ろを見ると、さっきの場所にKが

まだいるのが見えた。

「やばい!」

俺は引き返し、カセットをひったくると

座ったままのKの頭をボカッとなぐった。

女のほうを睨みつけるように見ると、

さっきの体勢のままだったが、体の輪郭が

きらきらし始めて、体は、なんというか、

しゃぼん玉がだんだん薄くなって透明になり、

消えていくように、消えてしまった。

俺は呆然としているKを引っ張っていく道すがら、

(出てくるなと言ったのに出てきやがって)

という怒りでいっぱいだった。

もちろん、今から思えば非常に身勝手なのだが、

その時はそう思ってた。

先輩の車まで来ると、DとSが狂ったように

手招きしてる。

「早く来い!」

「何してる!逃げるんだ」

猛スピードで車を走らせている先輩に、

一部始終を話すと、「マジかよ・・」

と顔をこわばらせ、しきりにバックミラーを覗く。

Kによると、一瞬腰が抜けて動けなくなり、

その間中、あの女と目が合っていたらしい。

車中、全員で目撃したことを言い合い、

間違いなく一致していることを確認した。

あれはやはり幽霊だったのだ。

殺された女の霊が出てきたのだ。

そう考えるのが一番自然だ。

そう結論づけた。

翌日曜日、俺たちはKの家に集まって、

Yを待っていた。

昨日の出来事を全部話し、

幽霊が見れるYに判断して

もらおうというわけだ。

しばらくしてYがやってきた。

俺たちを見て、どこか沈んだ顔をしている。

昨日の一部始終を話すと、「やっぱりな」といった。

「なんかいやな予感がしてたんだ。本当にやっちまったんだ」

「おまえが言い出しっぺなんだからな」Kが毒づく。

「いくらなんでも強姦されて殺された女なんて・・・」

「おまえ言っただろう、この世に未練がある奴って」

「で、おまえ同情したのか?」

「ああ、あたりまえだ」Kが言う。

「俺は出てくるな、と念じた」俺が言う。

「俺もだ」

「俺も」

DとSが言う。

「あれはやっぱり幽霊か?」俺が聞くと、

Yは「ああそうだよ、間違いないね」と言った。

「俺はあの女と見つめ合っちゃったんだからな」

とKが弱々しく笑った。

「今、おまえの肩にのってるよ・・・」

とYが言った。

「??!!」
その年の冬、Kは休学し、翌年退学した。

家族そろって長野に引っ越して行った。

理由はあえて言わない。

後から考えて、俺にはわからないことがある。

Yは最初、俺たちを心配して、

霊にあまり関わるなと言いたくて

近づいてきたのではなかったか。

なのに、あえて霊の呼び出し方法を

教えたのはなぜか。

Kが引越してから、YがC子と

付き合い出したのも偶然か。

C子はKの彼女だった。

あの日、Yが近寄ってきた

日もC子はKのそばにいた。

たぶん俺の妄想なのだろう。

今となってはどうでもいいことだ。

それから、あのカセットを翌日全員で聞いた。

ザーッという音のなかにかすかに「・・しぃ、・・しぃ」

と女の声が入っていた。

Yは「苦しい、苦しい」と言ってる、と言うが、

俺には「悔しい、悔しい」に聞こえた。


関連記事

スポンサードリンク

タグキーワード
2017.03.13|Genre:|Thread:恐怖の体験話コメント(0)トラックバック(0)Edit
コメント
非公開コメント

トラックバック
Copyright © 超怖い話 実話 All Rights Reserved.
当サイトのテキストや画像等すべての転載転用・商用販売を固く禁じます