【怖い話 実話 ほんのりと怖い話】東南アジア某国に第二次大戦の慰霊旅行 長編 - 超怖い話 実話

ピックアップ!

【怖い話 実話 ほんのりと怖い話】東南アジア某国に第二次大戦の慰霊旅行 長編

いつだったか、東南アジア某国に

第二次大戦の慰霊旅行で行った際。

(と言っても当時の私は、慰霊なんて

高尚なことを理解出来る年齢ではなく、

IMG_1325.jpg


外国に旅行に行けるなら、と深い理由もなく

両親に付いて行ってただけだった)

無事に向こうの空港に着き、両親の目的の場所に車で向かう。

青々とした林に通る未舗装道路を少し行き、

ボロボロのコンクリートの建物がある場所で車は止まった。

「あなたはそこら辺で遊んでなさい。遠くへ行っちゃ駄目よ」

と母に言われ、言われるまますぐ近くの林で地面を弄ってた。

両親は現地の人と熱心に話し込んでいた。

日本では見たこと無い草が沢山生えてたので、

退屈はしなかった。

近くの林をぶらぶら歩いていると、少しだけ開けた

場所に出た。

真ん中に近いところに丸太が置いてあって、

そこに作業着を着た男の人がちょこんと座っていた。

彼は私に気がつくと、

「こんにちは」

と挨拶してきた。

てっきり現地の人だと思ってたので、

つい驚き、上ずった声で挨拶を返してしまった。

私がばつの悪い顔をしていると、男の人が

「座りませんか」

と笑って言ってくれたので、素直に隣に座った。

不鮮明な記憶だが、ここの気候には慣れない、

国に帰りたいとかを、彼は物悲しい声で

話してたのは覚えている。

(私は学校の事とかを話した)

子供心でこんな外国で働いてて

大変だなぁと思い、

近くに生えてた小さな花を摘んで、

男の人に差し出した。

彼は困ったように笑ったので、

根っこが気に入らなかったのかと思い、

根っこをちぎって捨て、

改めて渡そうとして向き

直るともうそこに誰も居なかった。

嫌われたのかと思い少々ショックだったが、

時間も時間だったので両親のところに戻った。

まだ現地の人としゃべっててうんざりしたが、

草を弄ってるとそんな気分も薄まっていった。

無事に帰国し、夏休みの宿題日記に

旅行の事を書くうちに、

あの男の人で失敗したなぁと思い出していた。

彼の格好が旧陸軍だと知ったのは

二十代後半になってからだ。

彼の隣に座った時の、あの汗と土の匂い、

屈託の無い笑顔は、

今でもはっきり思い出せる。


関連記事

スポンサードリンク

タグキーワード
コメント
非公開コメント

トラックバック
Copyright © 超怖い話 実話 All Rights Reserved.
当サイトのテキストや画像等すべての転載転用・商用販売を固く禁じます