【最も怖い話】「あいつに限って、そう簡単には死んだりしないよ」 長編 - 超怖い話 実話

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【最も怖い話】「あいつに限って、そう簡単には死んだりしないよ」 長編

これは又聞きの話なんで

真偽の程は定かではないとしておこう。

友人がバイクで事故ったとの知らせを聞いた斎藤さんが

担ぎ込まれたという病院に仲間2人を連れて出かけた。

IMG_1622.jpg


幸いにして彼の怪我の度合いはそれほどでもなく、

バイクが全損になったのは残念だが、

命には代えられないと安堵した。

その夜のうちに帰宅できるとの事で

車で自宅まで届けるために

斎藤さんは車で来て欲しいと頼まれていた。

別段変った事故でもなく、

単なる自損事故、ここまでは。

その後、検査で彼の脳に損傷が

有るかもしれないとの事で

精密検査を至急行うに至って、

斎藤さんは病院で待つ事になった。

運ばれたのは午後6時、斎藤さんが着たのは午後7時

夕食を食べに出かけて病院に戻り、

再検査になったのが午後9時で、

時刻はそろそろ午前0時になろうとしていた。

「あいつ大丈夫なのかなぁ。」

不安がる斎藤さんを仲間達は

「あいつに限って、そう簡単には死んだりしないよ」

となだめた。

「俺もそうは思うんだけど・・・」

塞ぎ込む斎藤さんが視線を床に落とした時

どこからか鈴の音がする。

普通のチリチリという音ではなく、

お遍路さんが持ってる少し大きい

チリィ~ンチリィ~ンと鳴るやつ。

「どっからだろう?」

顔を上げて右手奥の廊下を見ると、

すでに消灯した病棟へ続く廊下は

溶け込むような闇に続いている。

「あっちか」

斎藤さんが向き直ると、

仲間達もその方向を見ている。

「チリィ~ン・・・チリィ~ン・・・

チリィ~ンチリィ~ン・・・」

少しずつ、しかも確実に近づいてくる音、

皆は生唾を飲むように固まる。

姿無き鈴の音はとうとう皆の前まで迫り、

座っていた長椅子の周りをゆっくりと回り始めた。

不思議と恐怖感は無く、それよりも不安が襲う。

数分、いや数十分ほどだったか、

長椅子の周りを回っていた鈴の音は

ゆっくりと溶け込むような

闇の方向へと吸い込まれていく。

「何なんだあれは?」

斎藤さんは思わず声を出した。

それで金縛りが解けるように

全員がほぉっと大きく息をついた。

それと同時に、薄い明かりの差していた部屋、

手術中という赤いランプが

ポッと消えて中から医師が出てきた。

「危なかった、あのまま帰していたら危なかったかも」

外傷性くも膜下出血、

友人は生死の境をさ迷っていたのだ。

家族に連絡を取り、

皆で一旦斎藤さんの家に帰ることになった。

少し落ち着いてビールを飲み始めた時に、

一人がつぶやいた

「あのさ、さっきの鈴の音、

ばあちゃんに聞いた事があるんだけど」

「死人を迎えにくる案内人が

持ってる鈴ってあんな音だって。」

脳に広がる血の塊を取り除く手術、

ちょうどその頃、鈴は迎えに来ていた。

凍るような静寂の中に聞こえる、

冴えた冷たい音を斎藤さんは

今も覚えている。


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