【怖い話 実話 心霊・怪談】東京の神田にある某私立大学の学生 短編 - 超怖い話 実話

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【怖い話 実話 心霊・怪談】東京の神田にある某私立大学の学生 短編

私が実際に体験したことです。今から15年前、私は

東京の神田にある某私立大学の学生でした。

住居は千葉県松戸市の馬橋という所に

あるアパートを借りていました。

IMG_2317.jpg


営団千代田線で馬橋駅から新御茶ノ水駅まで

約30分かけて学校に通っていたのです。

ある日、教授に指定された本を購入しようと、神保町の

古本屋街に足を運び、その本を探していました。

新品なら大型書店ですぐ入手できたのですが・・・何しろ

貧乏学生で新品で三千五百円もする、その『○○○○○』

という本を買うだけの経済的余裕もなく。

脚を棒のようにして必死でその本のお古を探していました。

世界に類がないといわれる、書店だけで形成された街、

神保町。

そこはあまりにも広大で深く、一介の学生が求める

一冊など大洋の中の一滴に等しいものです。

歩いて書店巡りをしているうちに、もうどうでもいいや、

という気分になりました。

缶コーヒーを一本買い、人気のあまりない小路に

腰を下ろし、飲みながら休んでいました。

すると何故か目の前にある、詩集や歌集、

句集などを専門に扱う書店の店構えが

気になり出しました。

今から考えると何故、詩や短歌、俳句など

自分が全く関心がない分野のものを扱う店が

気になったのか。

本当に不思議で仕方がありません。

缶コーヒーを急いで飲み干し、その店に入ってみました。

店内には床から天井までびっしりと詩集や歌集などの

類の本が積み上げられ、陳列されています。

紙かインクの匂いでしょうか、

古本屋独特の甘い匂いがします。

書棚に手を伸ばし、手に取った

一冊は今でも忘れもしません。

『○○○○○』という歌集です。

著者は○○○という女性でした。

奥付にある「著者略歴」を見ると、

1971年に自ら命を絶っています。

短歌などに全く興味がないのに何故かその

歌の幾つかにひかれ、500円の値段が貼ってある、

聞いたことのない出版社(たぶん、自費出版か

何かだったのでしょう)から出された歌集をレジに

持って行きました。

いかにも文学者くずれといった風情の店主は本を

紙袋に入れながら、「この人は可哀想なひとでねぇ。

学生運動が盛んだった頃、ある大学の党派に

所属していて、仲間にスパイを疑われ、

厳しい査問にかけられて精神に異常をきた

しちゃったんだよ。子供の頃から文学の才能があって、

短歌を暇を見つけては作っていたらしいんだ。

ところがそんなわけで、常磐線に身を投げ

ちゃったんだね。亡くなった後、遺族がその子の

遺した短歌を整理して出版したのがその本だよ」

私は重苦しい気持ちになりながらも、その本を受け取り、

とりあえず松戸のアパートに帰りました。

途中のコンビニで買った弁当を食べて、

買ってきたその本を開いてみて、私は心臓が

止まりそうになりました。

最初のページから最後のページまでびっしりと

ゴシック体の文字で、葬式の時に貼る「忌中」

「忌中」「忌中」「忌中」「忌中」「忌中」「忌中」の

文字で埋め尽くされていたからです。


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