【超怖い話 実話】「急にエンジンが止まってしまって掛からないんですよ」長編 - 超怖い話 実話

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【超怖い話 実話】「急にエンジンが止まってしまって掛からないんですよ」長編

高校2年の夏。当時、単車や原チャリ(スクーター)は

先輩からのお下がりか別途調達

してきたものが殆どです。

ところがその年。

IMG_1709.jpg


私はバイト代が思ったより多く入ったので衝動的に新品の

スクーター(50cc)を購入しました。

当時にしては最新最速。

そりゃ、見せびらかしに行きます。

休日前日の夜、友人のFの家に「どーよ、カッコイイだろ」

的に見せに行き、翌日は都内まで遠征しようということに

なりました。

23時くらいにFの家を出て、「せっかくだからスピードを

出してみようかな」と、いつも通るバス通りではなく、

その道路に平行して通っている田んぼ道を通ることに

しました。

ここは一直線で信号もなく、道幅も狭いことから車の

通りも殆どありません。

通りに入ると夏の虫がジジジジと鳴き、道の両脇には

覆いかぶさるように草が生い茂ってました。

私は一気にアクセルを全開。

と同時に間もなくエンストしてしまいました。

セルボタン、またはキックでもエンジンが掛からず、

薄暗い街灯も数十メートルおきぐらいしかないので、

少し先の街灯の下まで押して行きました。

「どうしました?」

後ろから声がしたので振り返ると、作業服を着た

初老のオジサンが立ってました。

確か、その近所に整備工場があったので、

私は正直「助かった、直せる」とホッとしたのを

覚えています。

「急にエンジンが止まってしまって。

掛からないんですよ」

オジサンは「ちょっと見てみましょうか」と言って、

薄暗い街灯の明かりを頼りにタイヤの辺りを

触りだしました。

すると。

突然、私の前で土下座をし、涙を流しながら

「すみませんっ。私の友人がタイヤに

噛み付いてしまって、パンクしちゃってます」

と言い、手で払うように「止せ、咬むな、

やめろ」というジェスチャーをタイヤの方にしました。

タイヤはパンパンに張ってます。

「はっ?」

「すみません、友人には私から言って聞かせますので

勘弁してください。咬んだまま離そうとしないので、

そこまで私が押していきます」と言ってハンドルを

取るとカラカラとスクーターを押し始めました。

当初、私は頭のおかしなオッサンに

遭遇してしまったもんだと黙って後を歩いてましたが、

こちらが何を言っても「すみません」と言って、

やはり後輪の辺りに噛み付いている?友人に

「咬むな!離せ!」と言いながら払うように手を振ります。

遠くには合流するバス通り見えます。

「もうイイですからっ」

何を言っても謝るだけですし、暗がりの中何となく

気味が悪くなり、半ば強引にハンドルを取り上げると

改めて土下座をしてましたが、私も少しこの場から

逃げたいという気持ちがあったので何も言わずに

ハンドルを押し、離れようとしました。

試しにセルモーターを入れたら、エンジンが掛かりました。

走り去る際に振り返ると、誰も居ません。

家に帰り、さっきまでいたFの家に電話すると、

「確かに前まで整備工場があったけど、全焼して

今は空き地になってるはず」とのことでした。

最終的には「変なオッサンに遭遇したわ」という

笑い話で電話を切り、翌日の東京遠征の時間を

決めて電話を切りましたが、状況が一変するのは

翌日の朝になってからでした。

玄関を出てスクーターを見ると、後輪がボコボコに

凹んでいて、目で見ても明らかな穴が数箇所。
完全にパンクしてます。

Fに電話すると、彼の父親は駅近くで自転車屋を

営んでおり「オヤジに途中で軽トラで拾ってもらうよ。

スクーターでも、パンクなら直せる」とのことで、

数分後にFの父親が私の家に来ました。

「15分くらいしたら店まで来いよ」

そう言われ、しばらくして店に行くと、既に修理され

店の外に停められていました。

「助かりましたー。お幾らですか?」と言うと

「息子の友達から金は取れんだろ。ただ、お前よぉ」

「はい」

「何か事故とか起こしてないだろうな?」

「イエイエ、何もしてませんよっ」

「そっか、ならイイけどな」

「んじゃ、ちょっと出掛けてきますね」

そう言って店を出ようとすると、また呼び止められました。

「お前、本当にウソついてないな?人とか

撥ねてないな?」と、かなり真顔でした。

「勘弁してください、何もしてないですよ」

「本当だな?」

「本当です」

親父さんは「分かった。ちょっと待ってろ」と言って

店に入り、すぐに戻って来ました。

「お前、タイヤの中から、こんなもんが出てきたぞ」

そう言って、親父さんが握った軍手を広げました。

数本の「差し歯」がタイヤから出てきたそうです。


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