【じわ怖 じわじわ来る怖い話】とくに怪奇現象を起こしたりはしてない。短編 - 超怖い話 実話

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【じわ怖 じわじわ来る怖い話】とくに怪奇現象を起こしたりはしてない。短編

小さい頃、祖父が友人宅から、

鷹の絵の描かれた大きな絵皿を貰ってきた。

それは今でも和室に飾ってあって、

とくに怪奇現象を起こしたりはしてない。

IMG_2145.jpg


祖父の友人は骨董商だった。

その皿も店の品物でかなりの逸品らしいが、
売れてもじきに返品される謎の皿だったらしい。 当の骨董商が亡くなったとかで、
親友である祖父が形見分けとして引き取ったそうだ。

皿がうちに来た当時、
幼かった私はその絵皿がえらく気に入っていた。

触ると祖父に怒られるので、祖父の外出中をねらって、
皿を床にふせて爪ではじいていた。

そうすると、皿から若い男の人の声がした。

「痛い、叩くな」

「やめなさい」

「物なんだから大切に扱え」

こういう内容がほとんどだったけど、
反応があるのが面白くて弾きまくった。

皿はたまに、

「ここだけの話だからな」

といって、他人の秘密を教えてくれた。

若い頃の祖父が、美女に交際を申し込むために、
馬鹿みたいなパフォーマンスをしたこと。

その馬鹿男を祖母が殴って叱ったのが、
二人のなれそめであること。

隣の奥さんが、不倫亭主を見限るまでの経緯。

ほかにも、普通なら知り得ない他家の事情をいろいろ聞かされた。

惚れたはれたが多かったが、
たまに私が沈んでると励まされたりもした。

皿から聞いた話を祖父母に言うと、
やけに焦った反応が返ってきたから、
あながち嘘ではなかったんだと思う。

小学校にあがって友達と遊ぶようになり、
私は皿のことを忘れていった。

ついこの前までは、皿が喋るなんて子供の頃の妄想かと思っていたが、
先日和室を掃除しにいったら、
うちの娘がかつての私と同じようにして皿で遊んでいた。

「パパがね、(娘)が生まれたときから、
×田●子さんていう女の子とフテーを働いてるんだって!
『お婿のくせに生意気だ』って、お皿が言ってたよ。
ママがいるのに許せないんだって。
ねえ、フテーって何?」

不貞ってのはつまり浮気のことだ、
なんてまさか教えたりはしなかった。

後日、夫が『職場の飲み会』に出かけたあと、
忘れていった携帯(仕事用)に『専務』からの着信が。

「●子だよぉ☆今いつものホテルで待ってるからはやく来てね」

あの皿は、今も変わらずゴシップが好きらしい。

とりあえず昔と同じように床にふせて、
娘に昼ドラまがいの話を吹き込むなと釘をさしておいたが、
もう昔のように皿の声は聞こえなかった。

娘が私の若い頃のことについてやけに詳しいのは、
やはり皿の仕業なんだろうか。

部屋でヒゲダンスするのが趣味だったなんて、
恥ずかしくて誰にも言ってないのに、何で知ってるんだ。


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