【怖い話 本当にあった怖い話】四九日に出向いた時に聞いた話 長編 - 超怖い話 実話

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【怖い話 本当にあった怖い話】四九日に出向いた時に聞いた話 長編

オレがお得意さんの四九日に出向いた時に聞いた話。

入社以来、仕事にかまけていた私は、

青森出張後に

漸く休暇を貰う事ができる事になった。

IMG_1578.jpg


その為、これを機会に中古車を買う事に決め、
チェーン展開している中古車屋に行き物色していると、
黒っぽい制服を着た店員がやってきて、色々と案内してくれた。

『客が私しか居ないので暇なのだろう。』

そう思った私は、時間をかけて交渉しても、
安く中古車を購入する事に決めた。

店員はじっと私を見て、
一台の車を案内してくれる。

其れは店の裏の工場のような場所においてあり、
これから展示する予定だと言う。

まだ、値段を公式につけていないから、
安くできると言うので早速契約する。

チェーン展開している店だから、
その点は信用していた。

唯一、その店員が
私をじっと見ているのが気に掛かったが、
変な奴だとしか思わなかった。

まあ、どこにも変な奴はいるものだし、
事によったら私もこいつから見れば
変な奴なのかもしれなかったし・・。

翌日会社に乗っていくと同僚にうらやましがられたが、

『今どきナビも着いていないのか?』

と言われては急に欲しくなってきた。

前日、妻にその旨伝えたら、

『ろくに遠出もしないくせに、無駄!』

の一言で却下されていたが・・・。


そういう訳で、妻も”ついで”に
青森まで連れて行くことで交渉は成立し、
会社に出入りしている業者に
ナビのカタログを持ってきてもらう事にした。

自分で店に行けばいいのだが、
何しろ仕事が忙しい。

翌々日、会社に来たのは
顔見知りの業者ではなく、見知らぬ男だった。

彼は、いつもの業者が
急な用件で来れなくなった為に、
代理として来たと述べた。

私は渡されたカタログを見て、
周りの同僚等にも聞きながら買おうかと思っていたが、
その業者が言うには型が古いので良ければ、
セール中なので半額で購入できると言う。

又、

「Aさんはお得意さんなので、更に割り引きます」

と言うので、まあ、信頼できる業者だし
妻にも嫌味を言われないだろうと言う事で、
そのお勧めのナビを購入した。

妻は私の運転技術に疑わしそうだったが、
運転には自信はある。

実を言うと学生の頃は親の車に乗っていたのだが、
ちょっとした事故を起こして以来、乗るのを止めたのだ。

事故といっても接触で、
相手も軽傷と言う事で弁護士を立てて示談にした。

入社後はさすがに社用車には乗っているが、
自分の車を初めて持てた事で浮かれていたのかもしれない。

高速を下りたあたりから、ナビに従って運転する。

初めて使うナビは、
地図の上を矢印が動くと言う物で少し見難いのが玉に瑕。

だが、方向音痴の妻にナビしてもらう事に比べれば
天と地の差があるだろう。

順調にナビに従って走っていると、
いつの間にか霧が濃くなってくる。

道は少しずつガタガタと言い出し荒れてくるように感じるが、
田舎なんてこんな物だろう(失礼)と思い
余り気にせずに運転を続ける。

妻は終始無言で、手元の地図を見ている。

方向音痴の癖に、ナビをやりたがるから
一応持たせておいたが、結局使う事がないので
拗ねているのだと思っていた。

霧が深くなる中でフォグランプをつけたまま、
私は運転を続ける。

妻が心配そうに運転を控えるように言うが、
私にはその言葉が遠くに聞こえる。

非常に遠くから誰かが何か言っている様に聞こえた。

唯一、ナビの声だけがクリアに聞こえてくる。

もっと、スピードを出しても大丈夫。

私は何故かその思いに囚われていたと思う。

止めなさいよ!

妻が顔面蒼白になりながら、強く私の頬を叩く。

目の前が一瞬暗くなり、その瞬間我に返った。

急ブレーキを踏み、
荒い息をしながら暫く二人で見つめ合う。

一瞬の沈黙。

そして、しわがれた、
そして暗い声が唐突に車の中に響き渡る。


『なんで・・・・言 う 事 を 聞 か な い ん だ よ 』


妻と私は硬直した。

一体何が起こったのか判らなかったのだ。

ナビはその声を最後に沈黙し、
何の反応も示さなかった。

二人して暫く動けなかった。

漸く霧が晴れてくると、
満月の下に広がるのは断崖と言ってもいいような急斜面だった。

私達は車をどうにかバックさせながら道を引き返し、
漸く国道に戻る事ができた。

それから先は二人とも終始無言だった。

声が聞こえたら、
恐らくハンドル操作を誤りそうな位怯えていた。

地図を見ながらどうにか目的地に辿り着くが、
空は既に白みかけていた。

翌日、出張先の人に頼んで
車を引き取りに来てもらうことにした。

私は怖くて乗りたくなかったし、
ナビの外し方も判らないので

『調子が悪いので見て欲しい。
ついでに、ナビが壊れているようなので取り外してくれ』

と依頼した。

そして、あの怪しいカーナビの業者にも電話する。

一体あのカーナビは何なのか?

変な由来でもありそうだった。

しかし、カタログを持ってきた業者は、
私の質問に明確に答える。

『旧式の売れ残りだから安くした。』

と・・。

なんら怪しいところはなかったのだ。

ならば・・全部私と妻の錯覚だったのだろうか?

しかし、あの山に道なんてないのは、
地元の人間に確認しても、やはり明らかだった。

だが、山を超えると霊山として有名な場所に出ると言う。

ところで、あの車が私の元に戻る事は二度となかった。

翌日の昼に修理業者から電話が掛かってくる。

車を引き取りに来た業者が
工場に帰ってきていないと言う。

あれから、十数時間経っている。

警察に連絡し、そして翌日、
谷に転落している車が発見される。

警察ではハンドル操作を誤って転落したと言う見解を出したが、
事故現場は見通しの良い緩やかな山道で
とてもハンドル操作を誤るような事はないはずと、
警官も不思議そうだった。

そして一番気になったのは、
死因は”心臓麻痺”と言う事だ。

私と妻は、再び黙り込んでしまった。

警察は、簡単な聴取で帰してくれたが、
気になって仕方がなかった。

そして、その話には続きがあった。

その車は事故車だった。

巧妙に偽装され、素人目には判らないが
二年程前に事故を起こしているという。

そんなものを購入させるとは!!

私はその警察の証拠を持って
あの中古車販売店に怒鳴り込む。

だが、その中古車販売店は
その様な車は取り扱っていないし、
裏の工場は廃棄自動車用だというのだ。

又、そんな従業員はいないし、
契約書自体もこの販売店の様式と異なっていた。

その上、契約する場所も決められており、
私のように近くのプレハブのような所では決して行わないと言う。

なら・・・私は一体誰と契約したのか?

その時、私は硬直した。

あの店員の目を思い出したのだ。

だが、私は自分の考えを振り払う。

あいつは自殺したはずだ・・・と。

学生時代の接触事故によって、
相手は軽傷であったが、
ある大会への切符を失ったという。

あいつは恨みの篭った目で私を見てくれた。

だが、弁護士は良くやってくれ、
示談という結果によって、
私は罪を免れ警察の厄介になる事もなかった。

示談金は親が十分なほど払ったし、
責任は取ったはずだ。

自殺との関連性などないはずだし、
もしあったとしても逆恨みだ。

私は訳が判らなかった。

死んだ人間はこの世にいる訳がない。

なのに、そんな常識的なことが今は確信できなかった。

心配そうに見る妻には
事の真相を話しておこうと思う。

それと、余りにも勧められるので
御祓いに行く事も考えている。


以上が、お得意さんの日記に書かれていた内容だという。

オレは焼香後、そそくさとお得意さんの家を後にした。

あの型のナビを搭載した車が、
その後も三件の死亡事故を引き起こしているという。

その関係で今日来た訳だが、
聞かない方がよかったのかもしれない。

ナビか、車か、
それとも”そういった場所”が原因なのか判らない。

私はナビが原因とは思わないのだが、
以降、あの型のナビは縁起が悪いという事で
うちでは取り扱っていない。

今も、未練を持った奴がこの国の何処かで、
曰つきの”何か”を広めているのだろうか?


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