【怖い話 不気味な話】あなた本当に何も心当たりないんですか?短編 - 超怖い話 実話

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【怖い話 不気味な話】あなた本当に何も心当たりないんですか?短編

先行上映の前券買いに、

近所の映画館へ行った。

たった5分目を放していた隙に、

チャリ紛失。

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あちこち探し回ったが見つからない・・・。
「やられた!」と思ってその足で交番へ届けてきた。

チャリ泥棒にやられたのは、大学入学以来これで2度目。
前のは盗まれたきり、ついに戻ってこなかった。

「見つかり次第連絡するが、すぐにというのは難しいねえ」と言われた。
この前と同じだ。

とりあえず、安い中古品でも見繕ってみようかと思った。

2週間後、届け出た交番から思いがけず電話があった。
「見つかったから取りに来い」とのこと。
盗難現場の最寄り駅から、6駅も離れた町だという。
チャリ泥棒の奴、随分と遠乗りをしたもんだ。

そこまで自分で引き取りに行くのは面倒だったが、何はともあれこれ幸いと、電車に乗ってその町へ。

名前は知っていたが初めての土地だ。
駅舎は旧国鉄の雰囲気を残すいい感じに寂れた建物だった。
駅前にも煉瓦の旧い倉庫が残っていたり・・・昼下がりの町に殆ど人通りは無かった。

教えられた駅前交番を訪ねると、入り口にあったあった。
可愛いMyボロチャリが。

早速手続をしてもらおうとすると、中年のお巡りさんが怪訝な顔をしながら言った。

「盗難自転車がこんなに早く見つかるなんてねえ。普通はまずありませんよ」

届けを受けて方々探して下さったんでしょう?俺は言った。
お巡りさんは頭を振った。

「いや、我々が見つけたんじゃないんです。住民の方たちから通報があったんです。こういうことは珍しいんですよ」

ちょっと様子が変だった。

「通報?」

「これ、一体どこで見つかったんですか?」

お巡りさんは答えなかった。
黙って俺を見ていたが、「ちょっと待っててください」と奥へ引っ込んだ。

俺が訝しく思って待っていると、お巡りさんは何だかえらくかさの張った紙包みを抱えて戻ってきた。

「これに心当たりがありますか?」

包みを開けた。
すっかり萎びて色あせた、霞草と小菊のものすごく大きな花束だった。

「前籠にぎっしり詰め込んであったんですよ。これを見つけた近所の人たちが、何人かね、余りに気味が悪いっていうんでそれぞれ通報してきたんです。持ち主が無事かどうかとにかく確かめてくれって」

余りに気味が悪いのはこっちの方だった。
チャリの籠に花束なんて、訳が分からない。
大体これはこの町のどこで見つかったんだ?

持ち主が無事かどうかを、複数人が警察に訊いてくるなんて、普通じゃない。
思わずチャリの前籠に眼を遣ってぞっとした。
籠の縁が裂けて針金で留められていた。

「あのねえ、もう一度訊くけど、あなた本当に何も心当たりないんですか?」

心当たりなんて全くない。

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