【怖い話 不気味な話】話すことで自分の恐怖心が増幅すると思ったから 短編 - 超怖い話 実話

ピックアップ!

【怖い話 不気味な話】話すことで自分の恐怖心が増幅すると思ったから 短編

私はもともと霊感が強くなく、

というか霊感はないと思っていました。

小さなころから心霊体験をしたという記憶はなく、

肝試しをしても暗いのがこわいだけで、

IMG_1232.jpg


お化け屋敷に行っても暗いのと仕掛けに驚かされるだけ。
本当に霊と出会えるというのは考えたこともありませんでした。

身近なところでは祖父が亡くなりましたが、祖父は天国から見守ってくれているとは思いますが、霊というものを感じたことはありませんでした。
それほどの私が、一度だけ経験した心霊体験の話です。

今から約10年前のこと。
当時、私は正社員で塾講師をしていました。
その塾は県内にいくつか教室を持っているような塾で、比較的成績が良い生徒が多い進学塾でした。

受験シーズンが始まると、テストの回数も増えてきます。
入試が近くなればなるほど、日曜に模試やテストを行うことが多くなります。
自然と休日出勤をすることになるのですが、なかなか休みがとれず、忙しい毎日でした。

その心霊体験をしたのはそんな日曜日の朝のことでした。
受験の日が近いため、普段の夕方からの授業時間ではなく、受験に合わせて朝からテストをすることになっていました。
朝なので事務員もおらず、私が責任者となって教室の鍵を開け、準備をすることになっていました。

塾の場所は、駅の近くのビルにある教室です。
そのビルはなかなかの古さで、5階建てくらいだったかと思います。
そのビルのすべての階を塾が使用していましたし、古いだけあって、いろいろな噂のあるビルでした。
生徒や同僚から聞いた話によると、そのビルに塾が入る前は、とある会社が借りていて、その会社は倒産してしまったのだそうです。
倒産した会社の社長がそこで首つり自殺をしたとか、飛び降り自殺をしたとか、そのような噂があったのです。

私はそれを聞いても、そんなことが本当にあったのか、あったとしたらちょっと怖いな、というようにしか思っていませんでした。
噂は尾ヒレがつくことが多いので、それほど本気で信じていたわけではなく、その日も忘れていたくらいです。

朝は鍵を開けて電気をつけたり黒板にテストの日程を書いたり、テストの枚数を数えて確認したりという仕事をしなければなりません。
冬で寒いので、エアコンをつけてまわる必要もあります。
そのためビルの中をうろうろしていたときです。
階段を登っているのか降りているのか、足音が聞こえました。

聞き間違いではないと思います。
確実に誰かいる・・・そういう音でした。
もう生徒が来たのかと思いましたが、教室を確認しても誰もいません。
この時生徒がいなかったのは間違いないのです。
というのも、その後、すべての生徒に確認したのですから。

「誰かいるんですか?」と階段につながるドアを開けて聞いてみましたが、自分の声がむなしく響くだけでした。

そのとき初めてぞくっと恐怖がやってきました。
そして数々の噂を思い出しました。
その後はとにかく怖くなり、震えがくるほどでした。

あの足音は間違いなく人間の足音です。
そしてその時ビルには私しかいないはずでした。
そもそもエレベーターがあるので階段を使う人はほとんどいないのです。

この体験については、誰にも話していません。
また噂が変なふうに広まるのも困りますし、話すことで自分の恐怖心が増幅すると思ったからです。

あれから約10年たちますが、今でもあの音は覚えています。
気のせいであってほしいのですが、もしかしたら、倒産した会社の社長の霊が日曜にもかかわらず出勤していたのかもしれない、そんな風にも思っています。


関連記事

スポンサードリンク

タグキーワード
コメント
非公開コメント

トラックバック
Copyright © 超怖い話 実話 All Rights Reserved.
当サイトのテキストや画像等すべての転載転用・商用販売を固く禁じます