【超怖い話 実話】「もうあの管理事務所には行けない。」短編 - 超怖い話 実話

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【超怖い話 実話】「もうあの管理事務所には行けない。」短編

私の弟が大学時代に体験した話しです。

弟が大学2年の夏休み前

友人のKがいいバイトを

見つけて来たそうです。

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内容は有名な観光名所にある崖で投身を監視をするというものです。

8月からの1カ月間で住込3食付で人数は何人でも良く50万円。
ただし、仕事期間を全て終了しなければ報酬は支払われない条件だったそうです。
Kと弟は25万ずつ山分けしようと2人で引き受けることにしました。

初日、観光協会の方に連れられ仕事の詳しい説明がありました。
崖の上には展望台とちょっとした広場があり、広場には平屋の管理事務所がありました。

管理事務所に入ると床に跳ね上げ式ドアと言うのでしょうか?そんな感じのドアがあり、開けると階段があります。
更に階段を下りると8畳ほどの休憩室があり、ここで寝泊するそうです。

生活用品は揃っていましたが、電話だけは観光協会に通じる内線だけだったそうです。
部屋にはドアがあり、2畳ほどの廊下に続いていて廊下にあるドアを開けると階段があり、階段の下は海でした。
つまり、崖の下は海水が流れ込む洞窟になっていて、その上から崖をくり抜いた形で建物がある状態です。

午前9時から午後5時までは観光協会の方が管理事務所に居る。
なのでその間は睡眠を取るなり出かけたりと自由な時間でそれ以外の時間が勤務時間だそうです。
勤務時間と言ってもほとんど部屋で待機している状態。
歩いて10分程度のところに観光協会事務所があり、シーズン中の観光協会事務所は24時間体制でした。

旅館、ホテルから観光協会の方へ怪しい雰囲気の宿泊客が居る。
夜になっても戻って来ない人が居る・・・などの連絡があった時は内線で連絡があります。
管理事務所で監視体制に入るそうですが無い場合はほとんど部屋でやりたい放題。

観光協会の方もビールや海産物の差入れを持って来てくれたり、退屈だろうとビデオを設置してくれて。
交替の時には新しいビデオを置いて行ってくれる。
雰囲気バツグンなところを除けばこんなにいいな仕事は無いとKと二人でお祭りだったそうです。

それから3日ほど過ぎた頃、初の内線電話があり20代後半ぐらいの女性が崖に向かっている可能性があるとのこと。
Kと二人で見回ると展望台にあるベンチにそれらしき女性が座っていて説得して事務所に連れて行き観光協会に連絡すると車の迎えが来て女性は連れて行かれました。

Kと弟は初仕事に充実感を得ているとドアの外から『ゴツーン、ゴツーン』という音がして来ました。
音はずっと続いていましたが、流木かゴミが流れ着いて階段にぶつかっているのだろうと気にもせず、翌日の交替になりました。

報告で音がしていたことを告げると観光協会の方が「今年もシーズンが来たか・・・」と言って二人を連れて階段を下りて行ったのです。

『ゴツーン、ゴツーン』という音が階段に響いています。
何か黒い塊のようなものが波に揺られて階段にぶつかりその音となっています。
それの正体は・・・。

すぐに警察来てその遺体は引き上げられました。

8月に入ると潮の流れが変わり、洞窟内に流れ着くそうです。
潮の流れが変わっているシーズン中に投身すればすぐに洞窟に流れ着くそうです。
しかし、シーズン以外だと沖に流され潮の流れが変わるまで戻って来ません。

流れが変わると危険なので洞窟内からの作業が出来ないため上から行う。
つまりこの作業のために崖をくり抜いて洞窟に続くような形で建物があったわけです。

シーズン中でもあり、遺体が上がったとなると大変な騒ぎにもなるため、秘密の作業所、霊安室でもあったのです。
休憩室と階段の間にある廊下に引き上げ安置し、観光客がいなくなる時間になると運び出すそうです。

自殺志願者を監視する仕事はタテマエでした。
本当の仕事はこっちのほうだったのです・・・。

そのほとんどは、夜中に流れ着きます。
発見したらすぐに観光協会に連絡し、警察が来て夜中の内に引き上げられるようにする。
二人は引き上げ作業や運び出す作業には関わらないものの、観光客が来る時間帯に発見されれば二人が寝止まりする隣に安置されるわけです。

1カ月で50万なんてウマ過ぎると思った・・・。
給料は無しになるけれど、まだ始めて3日だし今なら帰って地元で別のバイトを探せる・・・。
そう思ったものの、恐さより50万の方が魅力的だった二人は自由時間は近づかない、出来るだけ上の管理事務所で過ごす・・・それで乗り切ろうとしたのですが・・・結果的に間違いでした。

勤務の時間になったのですが、今まではビデオなどを観て時間を潰すため休憩室へ行きますが、そこへは行かず、管理事務所で過ごしていました。
しかし、2時間置きに流着していないか見に行かなくてはなりません。
幸運にも流れ着くことも無く平穏に3日ほど過ぎたときです。
その夜も休憩室へは行かず管理事務所で過ごしていました。

Kが、「あの女、ちがうか?」

展望台のライトの下にTシャツとジーンズという服装の若い女性が立っていました。
Kと共に懐中電灯を持って事務所を出ると女性は海を背にして帰って行く姿が見えたので引き帰しました。

戻るといきなり下の休憩室に続く跳ね上げ式ドアから『ドンドン』と叩くような音が聞こえたそうです。

驚いて腰が抜けそうになったそうですが、「休憩室のドアが開いていて風が吹き込んでいる風圧じゃないか?」とKの言うことに一理あると二人で行ってみたそうです。

やはりKの言う通り、ドアが開いていてそこから風が吹き込んでいました。
すぐにドアを閉めようとドアから階下を覗くと白っぽいものが流れ着いていました。

「来たよ・・・」

すぐに連絡すると10分もしないうちに警察が引き上げました。

Tシャツにジーンズ・・・服装からして先ほどの女性だと直感しました。
Kが思い出したように言いました。

「俺、確かにドアを閉めてかんぬきも掛けたんだよ。」

恐怖はそれだけでは治まりませんでした。
二人は次の日から交代に入ったと同時に階下へ行き、ドアを閉めかんぬきを掛けて一目散に管理事務所に戻る。
これが日課になりました。
ビデオ見ながら酒盛りだったのが恐怖の時間に変わったのです。

『ドンドン』と跳ね上げ式ドアから音がする。
流れ着いている。
音がしない日はドアも閉まっていて流れ着かない。

『ドンドン』と音がする日は女性。

『ガツーン、ガツーン』と音がする日は男性。

二人は食欲も無くなり不眠症にもなり勤務時間以外はほとんどボ~っとして。
街中にある公園で過ごすようになり、2週間も過ぎると限界が来てついに辞める決心をしました。

「もうあの管理事務所には行けない。」

二人で観光協会に泣きつくと100万にするから続けられないかと説得されたそうです。
しかし、この時は100万より恐怖の方が勝ったようでガンとして断ったそうです。

ゲッソリ痩せて青ざめた顔をして帰って来た弟を見て何があったのか問い詰めましたがずっと沈黙を守ったままでした。

それから社会人になった今でもKとは親友同士でKは良く我家へ遊びに来ます。

3年ほど前、Kが我家の鍋パーティーに来た時、弟と共に重い口を割り話してくれた話です。
Kによると何かの恐い話し系の本に同じような話しが掲載されていたそうです。
ご存知の方いらっしゃいますか?


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